砂時計の夜
死ぬときの夢を見る。
あれは死ぬときの夢なのだろう、
たぶん。
うちはひざをついて、
苦しい息を次第に潜めるようにして
縮こまってゆく。
ゆっくりと微かな呼吸をする。
とてもとても苦しい。
次第に次第に、息をしているのかも分からなくなって、
石になったみたい気がして、
ふと
どこか細いくびれを通り抜けたような
気配がする。
細いくびれを抜ける。
砂時計のくびれを抜ける。
あちら側へ。
また息を始める。
次第に深く、ゆったりと。
まるで、膝をついて眠り、
眠りながら死んだ私が、
固くてざらざらした皮膚を持った木に
生まれ変わるように。
呼吸が変わり、
みえる世界が変わる。
そんな夜。
そんな死。
絵に描いた。
死ってうちにとって、
こんな姿なんだ。
これは夢のせい。
夢で見た死の記憶が
うちをそのような死へと連れて行くだろう。
砂時計のくびれを抜ける夜に。
苦しさが木の肌に。
葉に枝に。
かわって天に伸びてゆく夢を見ながら
次第に息が楽になって
うちは死ぬだろう。
29years old,1.5,Mizuki
絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。