見出し画像

#読書感想文 明るい夜に出かけて 佐藤多佳子

ぼざろの件といい、地元付近が舞台の作品に出会うことが多い、最近。
エコーチェンバー(言いたいだけ)だろうか。
そもそも本作、なんで読書メーターの「読みたい本リスト」に登録したんだか覚えてないんだよなぁ。
それこそオールナイトニッポンきっかけだったかなぁ。

ここ5年くらいで聴き始めた新参のリスナーですが、
ANNとTBSラジオをよく聴いています。
好きな番組は上から順に
「バナナマンのバナナムーンGOLD」
「ハライチのターン」
「オードリーのオールナイトニッポン」
「佐久間宜行のオールナイトニッポンZERO」
です。

国道16号沿い、京急本線金沢八景ー追浜間にあるコンビニの深夜バイトをしている主人公。
読み始めて「えっ!?」ってなりました。

俺のことかな?

実は大学生時代、まさに「国道16号沿い、京急本線金沢八景ー追浜間にあるコンビニの深夜バイト」をしてました。

まったくフィクションってやつはよ…
時に現実を飛び越えてくるからやめられないぜ…

侍従川、関東学院大学、共済病院。
平潟湾、野島、追浜の日産工場、夕照橋…

どの風景も鮮明に記憶にある、地元の風景。
まあ生まれてから25年住んでましたからね。

いやー。

はじめに自分事として捉えちゃったんで一気に引き込まれ、
途中主人公の抱えるもの、口調、友人とのやり取りに良くも悪くも違和感を感じてしまってちょっと本を閉じ、
やっぱり思い直して本を開き、その後はラストまで一気読みでした。

読後はコンビニの夜勤を終え、朝を迎える感覚に似ています。

残念ながら上述のようにアルピーのラジオは聴いていないのですが、
ラジオリスナーの高揚は理解できます。
自分自身は完全にROM専(使い方あってる?)なので投稿もしないしまずほとんど生で聴きません。もっぱらradiko。

ただ、やっぱりラジオ(特に深夜)はパーソナリティとリスナーが1対1のメディアなんですよね。
自分一人に語りかけてくれているというか。
基本的に一人で聴くからでしょうか。
恋人に近いのかもしれません。
だから好きな番組であればあるほどパーソナリティに認めてほしいと思う。
「こいつ面白ぇじゃん」って思ってほしい。
振り向いてほしい。
片思いなのかな。

時は2014年、SNS全盛前夜。
これから誰でも発信ができる時代に突入する、ほんの少し前。
だからこそこのお話が輝きを帯びてくるというか、
それでもラジオを聴く理由、目指す意味。

発信することの強さ、怖さ、難しさ。

実在のラジオ番組、実在の人物、お笑い芸人。
出版にあたって許可とるの大変だっただろうなぁ、なんて余計なことを考えつつも
今の自分のラジオ視聴環境も含めて
学生時代に本作と出会っていたらラジオ業界で働くことを目指していたでしょう。
影響を受けやすい単純な人間なのです、僕は。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?