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Amazon Prime Videoで 「ぼっち・ざ・ろっく!」観た


なんだろう、少し泣いた。

青春時代、いっぱしの陽キャを気取って封印していた(美少女)アニメ大好きのSAGA、サガ、性。
それをこっち側に引き戻し(てくれ)たのが「けいおん!」なんですが、
はじめは申し訳ない、その亜種だと思ってました。きららだけに。
体感は上でした。
超えてきました。

舞台がね、地元なんです。
金沢八景。

正確には「地元付近」だけれど既視感しかない。

モデルになったアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーの大方が金沢区、しかも関東学院出身(世代的にはちょっと上、ちなみに関東学院は弟の母校)なのを知って納得の地理感というか。
庭です、庭。
ぼっちちゃんあの辺からシモキタに行くのは無理あるのでは… と思いましたけれども。
いや俺も渋谷まで通ってたけどな!

一言で表すならきらら×ジャンプ。

ぼっちちゃんの這い上がり方がエグい。
さすがギターヒーロー。

もうね、隠キャ界の孫悟空ですよ。
・もともと努力が苦にならないタイプ(というかそれしかやることがない)
・遺伝的にサラブレッド(お父さんがギターやってた)
・次の強ぇ敵(売れ線バンドの曲)をいつも探して(コピーす)る
・強ぇ奴(陽キャの喜多ちゃん)はちゃんと認める
・精神と時の部屋(完熟マンゴーの段ボールor自室の押し入れ)にたまに籠る
・志を共にする「仲間」はいるけど「友達」はいない

ね?完全に一致。

まあでも元々ロックって鬱屈した感情をぶつけるものだから、
「陰キャこそロックをやれ」なんですよ、たぶん。

また楽曲もいいんです。

いや、放課後ティータイムも好きなんですよ?もちろん。
「ぴゅあぴゅあはーと」も
「ごはんはおかず」も好きだし、
「U&I」には泣かされましたが、
あちらはあくまで高校生の軽音部。
ヘタウマ上等というかね。

結束バンドはメジャーデビューを目指すバンドで、部活じゃない。
活動場所は主にライブハウス。
ただやっぱりそこは高校生なので1期のクライマックスは文化祭ですが。

楽曲も立ってる。
これぞロックというか。
骨太なんですよねぇ(小並感)。
ひとつひとつの楽器の音がちゃんと個性的というか。
ちゃんとした音楽リスナー(そんなもの存在するのか?)にも刺さるんじゃないかと。

また歌詞がいい。
作中ではぼっちちゃんが作詞担当ですが
わたしあの子の才能が怖い。

作中では4曲ですかね、披露されるのは。
以下順不同でリリックビデオと感想(という名のポエム)つきで紹介。

「忘れてやらない」

憂鬱な気分を天気のせいにしがち。
青春なんて言葉は自分には似合わないと思ってる。
日々裏返る劣等感と優越感。
それでも人生は進んでいくから、なんとなくでも一歩を踏み出すしかないけど、
いつか振り返ることになるこの日々は本当の意味で戻ってこないから
その時は笑い話にしてやんよ。

いやマジで天才かよ。
この最終的には陽に転化されるにしても有り体に言ってクソ暗い歌詞をポップなメロディに乗せてるのもまたすごいけれども。

「あのバンド」

これはもう冒頭に出てくる
「背中を押すなよ」「もうそこに列車が来る」
に尽きますね。
痺れます。

マジでぼっちちゃん天才だったのか(2回目)。
このダブルミーニングの切れ味。

(音楽に限らずだけれど)「背中を押す」って行為は世の中的に善だとされていて
世の中そんな「自称応援歌・人」が溢れているけれど、
そんなもんはクソで、それに追いつめられる人がいることなんか微塵も考えていない。
だからこそ耳を閉ざして私の音しか聞きたくない!

陰キャロックの到達点なんではなかろうか。
でもこの曲ライブハウスの初演でやる?普通。

「ギターと孤独と青い惑星」
STARRYの出演オーディションで演った曲。

ありのままなんて誰にも見せられないから(多分誰も見てないし)夜空の星にぶちまけるつもりで歌おう。
私にはそれしかできないから。
それが全てだから。

こうやって並べて書くとわかりますけど「星」モチーフの楽曲が多いね。
やっぱり夜に光る星に自分を重ねてるのかな、ぼっちちゃんは。
沁みますね。

「星座になれたら」

ぼ喜多なの?ぼ喜多のことを言っているのね?(錯乱)
好き。超好き。
やっぱり推しカプはぼ喜多なんだよなぁ。
虹リョウも捨てがたいが…
「私がひとりちゃんを支える」って言っちゃてるしね。
まあ公認ということで。

ゴホン。

さて「星座になれたら」は切ない歌詞のミディアムポップ。

昼間は見えない、でも夜にはそれぞれが光る星。
それが線でつながって星座になる。
意味を見出すのは他人だけれど、指をさされるような星座になりたい。
あなたとつないだ線を離さないよ、離さないでね。
あなたが、わたしが、どんなに眩しくても。

これはぼっちちゃん視点からの結束バンドについて書いた詞だと思うんですけど、
見方によっては喜多ちゃん→ぼっちの視点でも解釈できるんですよねぇぇ(ニヤニヤ)。
天才か(3回目)。

それはそれとして、リードギター(ぼっちちゃん)のソロがあるとはいえ、
ベースのフレーズが印象的なこの曲を文化祭のセトリに入れるあたり
やはりリョウはリョウなのであった。

まあそれにしても飛ぶか。
飛ぶのか。
そりゃまあ「飛んだ人」って言われんだろぼっちちゃん。
モッシュ&ダイブは高校の文化祭ではやらないのだよ。

そしてこれね。
「光の中へ」

ぼっちちゃんの願いの集大成みたいな曲。
作中では演奏されない新曲。
新曲出しちゃってる。
やはり天才か。
これがまためちゃくちゃかっこいい。

スポーツやってる人間が「大一番の試合に出たい」のと同じように
音楽やってる人間はライブに出たいわけですよ。
まあでもぼっちちゃんにそれはできなかったわけで。
ひとりだけに(改めてだけどよく娘に「ひとり」なんて名前つけたな、両親)。
でもそんな彼女にも仲間ができて、
大切な「今」を束ねて届けていくことで新しい世界へ行ける(ような気がする)。
というか基本的に未来に対してネガティブな想像しかできないぼっちちゃんなので(の、わりに自己肯定感はそこそこ強い面倒な子だよ、本当に)
目の前のことを大切にするしかない、って想いなのかもしれません。

中高生の頃に観てたら影響されてバンドやってただろうなぁ、ほぼ間違いなく。

個々の基本的な技術の上、
チームアップによって生まれる化学反応や即興性。
湧く観客、そして快感、絶頂。
サッカーに似てますね。
大好きです。
2023年に観たアニメの中ではナンバーワン。

全人類にクソほどおススメ。
原作追おうか考え中。
一刻も早く2期を作ってほしい。

★★★★★

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