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歴史香る世界のスパイス料理 第4回ルネサンス期イタリアとフランスを結ぶスパイス - スパイス航路に導かれ

本記事は、雑誌『小原流挿花』2018年10月号に寄稿した記事を追記再構築してnoteに投稿したものです。当時は4ページで5品の料理を紹介しましたが、noteではボリュームがあるので、全5回としました。その第4回です。
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世界三大料理の礎。イタリアとフランスの橋渡しとなったデザート

 1533年にフランス王子オルレアン公アンリ・ド・ヴァロワに嫁ぐことになったカトリーヌ・ド・メディシスはフランス宮廷の食文化に影響を与えたと言われています。カトリーヌが嫁入りする際にはフィレンツェの料理人も随行し、秘伝のイタリア料理がフランスにもたらされました。
 氷菓を食べる習慣は古代ローマ時代からありましたが、16世紀のイタリア各地の宮廷でシャーベットことソルベット(フランス語でソルベ)が食べられていました。1533年の彼女の婚礼や祝賀会の期間にはキイチゴ、オレンジ、レモン、イチジク、レーズン、アーモンド、ピスタチオなどを加えたソルベットが並べられたそうです。
 今回、カトリーナがよく食べていたソルベットを紹介します。フィレンツェやミラノの宮廷でよく使われたオレンジを用い、ルネサンス期イタリアの特徴ともいえる万能調味料の一部の香辛料をここでも使います。
 シナモン粉、ジンジャー粉、ナツメグ粉というルネサンス期によく使われたスパイスをソルベットに加えました。オレンジの果汁と皮のすりおろしも大胆に使い、レモンの果汁を加え、香りづけと隠し味もバッチリです。
フランスの食文化に少なからずの影響を与えたカトリーヌの料理を是非ご堪能ください。

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