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e-温泉マイスター 堀川温泉

e-温泉マイスター講座の終了レポート「あなたのお好きな温泉の分析書を見て、源泉名・泉質名およびPRポイントをPRして下さい。」から

                    e-温泉マイスター 堀川有

場所は茨城県高萩市にある「堀川温泉」です。父から形見として譲り受けました。
父は高萩炭鉱に勤めていて廃坑になってから自費で高萩市内に温泉を掘削しました。ここは二本の源泉があり「ナトリウム硫酸塩泉」と「硫黄泉」になります。現在では別会社で民泊として営業しております。

「ナトリウム硫酸塩泉」は泉温32度、湧出量150㍑/分自噴です。
特徴は岩盤から湧出する古い年代の温泉水となります。現在福島県内で処理水の放流に関しトリチウム測定を行われていますが、広島、長崎に原発が落とされて以降、世界中の海水や地表水にトリチウムが含まれるようになってしまいました。しかしながらここの温泉にはトリチウムが含まれていないことから環境省でトリチウム測定のバックグランド水として認定され今では20数社が毎年採水にきております。民泊ではこのような贅沢な温泉をかけ流しとして、加温浴と源泉浴という二つの浴槽を用いて営業しております。

一部は温泉スタンドを設けドーミーイン水戸店にタンクローリーで毎日運んでいます。ドーミーイン水戸店では衛生管理のため塩素消毒を用いて利用していますが、源泉地の民泊では未消毒かけ流しで利用しています。入浴するとそのお湯の柔らかさが全く違うことが判ります。未消毒利用ではお湯が柔らかく、怪我や傷、やけどなど早く治す効果があります。おそらく要因としては源泉の持つ還元性や温泉成分に寄るものと理解しております。

「硫黄泉」は泉温20度、湧出量3000㍑/分自噴です。源泉地に到着すると草津温泉と同じように硫黄の匂いがします。源泉の色は無色透明ですが放置すると二日後に白濁のピークを迎えます。この白濁は硫黄が酸化したものも含まれますが実際には源泉地に存在する微生物によるバイオフィルムと考えられます。これはすべての温泉地に共通で湯の花=バイオフィルムと考えられます。ただしこのバイオフィルムがすべてレジオネラ属菌に直結するわけではないことを申し加えます。少なくとも酸性泉や60度以上の源泉、還元状態で生成されるバイオフィルムにはレジオネラ属菌の存在は考えにくいです。ここの源泉は温度が低い、pHが中性ということもあり現在では農業用水として利用されています。但し近年サウナブームということもありサウナに伴う冷水としての利用を検討中です。また毎分3000㍑という自噴量を活用しマイクロ水力発電が可能か否かの検討を行っています。

【高萩市観光協会から】
 温泉屋さんの温泉やど 堀川温泉
”源泉かけ流しの宿”として、当施設は茨城県内で唯一の未消毒かけ流し温泉を実現させた宿です。地下からコンコンと沸き出る温泉を空気に触れることなく浴槽まで注いでいます。

【e-温泉マイスター(マイクロラーニング)】
  一講座10分程度のスキマ時間で「温泉学」の基礎が学べます。
   e-ラーニングで30講座を学び、終了問題とレポートが合格すると
  「e-温泉マイスター」として認定されます。
   温泉マイスター講座 受講料 12,000円
 ※博物館の会員・賛助会員および学生は8,800円で受講できます。
 ※受講希望の方は、info@beppumuseum.jp にメールでお願いします。




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