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地獄ハイキング 明礬コース

別府八湯アンバサダー「地獄ハイキング明礬コース」ガイドブック

旧道から明礬地獄と別府湾を望む

【ガイド解説マニュアル】
①  明礬湯の里
②  地蔵泉
③  とびの湯
④  明礬薬師寺の滝(明礬八十八ヶ所)
⑤  岡本屋
⑥  ゑびすや
⑦  湯元屋
⑧  鶴寿泉
⑨  山田屋 (温泉蒸気&打たせ湯跡)
⑩  明礬地獄と明礬小屋   → 明礬湯の里(ゴール)


明礬湯の里

明礬湯の里
 明礬地獄は江戸時代より、明礬を採取し始めた史跡名所です。
明礬とは、硫酸アルミニウムなどの化合物で、染め物や薬、火薬、絵画など、江戸時代の人々の暮らしに広く使われていました。18世紀には、明礬の専売所の設置が当時の幕府から認められ、日本中にミョウバンが知られることとなり、その利益を使って農民を飢饉や災害から救済したといわれています。しかし、明治時代になると、海外から化学品が輸入されるようになり、明礬製造の時代は静かに幕を閉じ、現在の明礬という地名は、その名残りをとどめています。
しかしながら、明治17年ころには、このミョウバンの地場と、ミョウバン製造の途中過程を利用し、入浴剤「湯の花」の製造地として復活をしました。土産品としてあらたに生まれ変わり、多くの方に親しまれています。「湯の花」を製造している「湯の花小屋」は「国の重要無形民俗文化財」として現在登録されています。

売店横の旧道からコースに入る 


地蔵泉

② 地蔵泉
 古くから開かれた浴場で、鎌倉時代に大友賴泰が湯坪を掘り地蔵菩薩を安置したことが、この温泉の始まりと伝えられています。
残念ながら、地蔵泉は湯量の減少により、20年ほど前に休業をしています。この温泉施設は平成5年に建設されたもので、内湯が男女各1槽の無料温泉でした。草津温泉などにも見られる殺菌性の強い酸性の温泉で、お湯の色は乳白色、泉質は硫黄泉で皮膚病に効果がある温泉として遠来の方も多数訪れていました。江戸時代においても、「はだ渋し、よく諸瘡を治す。小瘡を病るものの類、遠方より来りてこの湯に浴すことなり」といわれていたという記述が残されています。地蔵泉跡では、現在でも温泉成分を含んだ噴気が出て「地獄」を形成しており、硫黄分などが結晶化して湯船を覆っています。
地蔵泉側のお手洗いの裏手には、かつてあった温泉施設のうたせ湯の跡があります。

お手洗いの裏手に隠れた打たせ湯跡


とびの湯

③とびの湯
  江戸時代の に「登備の尾の湯」と記載されている「とびの湯」は現在閉鎖されている温泉です。
とびの湯は、ある日、足を痛めた一羽の鳶(とび)が泥の中に足を入れて浸していたが、二日程たつと足の痛みがなくなり元気になって飛び去るのを村人がみつけ、「ここを掘れば薬効のある温泉が出るかもしれない」と言って掘ってみたところが、そこから温泉がこんこんと湧き出したという伝説も残されています。
湯治の泉質は炭酸性、無色透明で、清涼な味で内用に適し、慢性胃腸病・秘尿生殖器病・神経痛・慢性炎症などに特効があったといわれています。


明礬薬師寺の滝

④ 明礬薬師寺の滝(明礬八十八ヶ所)
 明礬地域には弘法大師を祀る信仰があり、四国のお遍路に倣って大正時代、地域内の88カ所に観音像や大師像が安置されました。
山の中にあったそれらを昭和になって願掛けや滝行の場であった鳶川の滝に集めたのがこの明礬八十八ヶ所です。仏の像は200体もの数があると言われています。
今でも、自治会がお彼岸や年末にお掃除をするなど、地域の人たちに愛されています。

仏像群


岡本屋

⑤岡本屋について
 明治8年開業の岡本屋はミルキーブルーの湯の単純酸性硫黄泉が特徴の温泉です。
江戸時代の文化元年(1804)に初代岩瀬正綱が玖珠森藩の飛び地であった明礬に山奉行として派遣され硫黄採取や明礬製造に当たったことが岡本屋の始まりです。
500号泉に面した売店では、名物の「地獄蒸しプリンや「地獄蒸し卵」を販売しています。 

明礬温泉旧道
別府石を加工した石壁


ゑびすや玄関

⑥ゑびすやについて
 硫黄の独特なにおいと白濁色のお湯が特徴。明治7年より創業された歴史ある旅館ですが、平成17年にリニューアルオープンされました。現在は、露天風呂や、岩盤浴、ジャグジー風呂など、様々な癒しの体験ができます。

三色たまご

※三色たまご
  福〜6分蒸した御宿ゑびす屋の朝食で出ししている人気のたまご。
  禄〜先代から伝わる秘伝の黒たまご。
  寿〜12時間硫黄の蒸気で蒸し上げた独特の風味のたまご。
 それぞれに違った風味が楽しめます。


湯元屋旅館


⑦湯元屋旅館
 薄く白濁した開業当時からある硫酸塩泉と、新しく作られた白濁した硫黄泉が特徴。こちらも明治10年に創業された歴史ある旅館です。一日3部屋限定の宿泊で、こまやかなサービスを楽しむことができます。
2つの源泉
1)アルミニウム-硫酸塩泉
 アトピー性皮膚炎等の肌病や美肌効果がある酸性の温泉
2)硫黄泉
 動脈硬化、高血圧、高血糖などの生活習慣病に効果


別府市営「鶴寿泉」

⑧鶴寿泉
 大友宗麟(1530~1587)が湯治場として開発し発展させたと伝えられる鶴寿泉は「下の湯」「鶴亀泉」とも呼ばれました。
江戸時代に、時の領主、久留島候がここを訪れたときに村人が新たに浴室を造り入浴させたところ、大いに喜び「鶴寿泉」と名づけたと伝えられています。
現在の建物は平成8年に建設されたもので、 殺菌性と酸性の強い 乳白色の温泉が無料で楽しめます。

※湯量低下のため休業中です。


⑨山田屋
 150年の歴史を誇る「極上の名湯」を楽しめる老舗旅館。
別府で最初に温泉浴場として認定された(温泉利用許可指令書交付第一号)貴重な緑礬泉は強酸性(PH1.7)は強力な殺菌力でアトピー性皮膚炎などに効果があると言われており、保温効果や美肌効果も期待できます。

山田屋の緑礬泉(HPから)
山田屋の向いの空き地に噴出する温泉蒸気


滝湯跡

岡本屋売店と明礬小屋に挟まれた旧道の坂を登ると500号泉に

明礬小屋と岡本屋売店
明礬地獄

⑩明礬地獄の足湯<明礬地獄遊歩道>
 利用料金/200円(明礬地獄入場料)
 定休日/無休
 営業時間/8:30~17:30

明礬地獄の遊歩道の中で足湯を楽しむことができます。
泉質は明礬らしい、硫黄泉、酸性泉です。

岡本屋売店前の500号線を通ってゴールの「湯の里」へ

*本事業はR5「別府市市民活動支援補助金」の助成を受けています。






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