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温泉マイスターおすすめの温泉

塚原温泉「火口の泉」
                                                                  温泉マイスター 若松 君子

今回は、別府市街から車で30分ほどの、由布市塚原温泉の紹介をします。

 塚原温泉は、800年ほど前に開湯したと伝えられる、大変古い温泉です。かつて、大正から昭和時代にかけて3件の旅館が営業していた地に、現在は、温泉施設「火口の泉」があります。

 塚原温泉は、強酸性の温泉で、秋田の玉川温泉、山形の蔵王温泉とともに、日本3大薬湯として知られています。玉川温泉のpHは約1.2、蔵王温泉のpHは1.25~1.6、塚原温泉のpHは約1.5です。ちなみに、レモンのpHは2.1、梅干しのpHは1.9なので、どれほど酸性が強いかがわかります。そのため、石鹸やシャンプーは使用できません。

 塚原温泉の温度は60℃前後で、泉質は、含硫黄・鉄・アルミニウム-カルシウム-硫酸塩泉です。非常に多くの成分を含んでいます。以下、「火口の泉」の公式ホームページから、塚原温泉の特徴である濃い成分についての文章を引用します。

 二番目の特徴は、お湯に多量の金属イオンを含むことです。鉄含有量(456mg)は日本一で、温泉法基準の40倍以上を含みます。アルミニウム含有量は日本第二位(295mg)で、療養泉の基準の約3倍です。鉄分といえば「赤茶色」のお湯をイメージしますが、それは酸化された鉄(サビ)の色。新鮮な状態(イオン)の鉄は緑色のことが多く、「塚原温泉火口乃泉」も透明緑色のお湯です。このほかにも人体に有用なカルシウムや、硫黄も多く含み、様々な効能を期待できるお湯なのです。
また、酸性の強さは玉川温泉や蔵王温泉とほぼ同じですが、成分量では「塚原温泉火口乃泉」が群を抜いており、人間の生理食塩水と同等の「等張性温泉」でもあります。これだけ強い酸性の等張性温泉は類が無く、非常に貴重なものとされています。(塚原温泉「火口の泉」公式ホームページより)

 塚原温泉の源泉は、活火山伽藍岳の中腹(標高約800m)に位置していますが、この伽藍岳の地下およそ10㎞に存在する約300℃の熱水溜りは、別府の温泉水全部の供給源だと聞くと、この温泉の成分の濃さも納得です。

 「火口の泉」には、共同の内湯と露天風呂のほか、4室の家族風呂と離れの家族風呂とがあります。内湯の大人料金は500円、露天風呂は600円、家族風呂は1時間2,000円、離れの家族風呂は1時間2,500円です。


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