地球のはなし 推古時代の大飢饉
朝日長者伝説のもととなった、『豊後国風土記』の田野の事件「農民が餅を弓の的にしたら、餅は白鳥になって南に飛び去り、農民は死に絶え、田は荒廃した」について、去年の12月初め、本欄に次のように書いた。
推古天皇の時代、大寒波のため稲が実らず、農民は餓死し、一村消滅の事態に陥ったのではなかろうか。
その後、あれこれ書物に当ってみたのだが、これに関係のありそうな文章は意外に少なく、もはや、頼りは『日本書紀』しかない。ありがたいことに、原典の漢文を現代文風に書き下したものがあ