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【このタイミングでまさかの小説に初挑戦⁉︎】Runners(夫編①)


おはようございます。

自分、小説というものになかなか手を出せなくて、というか手を出すつもりもそもそもなくて、読んだこともあまりなくて、そんなわけで書くつもりも全くなかったんですが、おとといくらいから謎のイマジネーションが湧いてきてしまい、一体どうしたものかなあとなってしまいました。

すでに、66日ライランという66日間連続投稿をする企画が始まってしまって、おそるおそる参加したら、すごい数の記事が流れてくるし、今日はまだ3日目だし、まだ63日もあるし、ほんとうにそんなことして大丈夫か、もっと気が楽なタイミングでやったほうがいいんじゃないか、とかも思ったりもしたのですが、逆に言えば「今日やることに意味がある」とも思い、ええいままよ!、思い切って投下してみようと思います(笑)

追放が怖い怖いと思いながら、ここにきて自分の首をみずから絞めに行くような試み、、、なんかよくわかんないけど、いろんな意味で実験してみたいって気持ちが出てきちゃったんですよね。

まあ、うまくいかなかったらうまくいかなかったで、そんなこともあったよね(笑)と気にしすぎず、新しいチャレンジ(遊戯)を楽しめればいいかなと思います。



Runners (夫編①)


2024年6月23日20:20

今井ケンシロウは、体重計の数字を見て憂鬱になった。

87.5キロ…

このままでは、90キロの大台を超えてしまいそうだ…
アラサーになってからみるみる体重が増えていった。

高校のときはいくら食べても太らなかったのに。

考えてみれば、高校の時は、部活漬けで毎日運動をしていたから代謝が良かっただけだった。

鈍感…

事あるごとにいろんな人からそう言われてきた。よく言えば気にしすぎない、悪く言えばいつまでも気づかない。

3か月前から入会した近所の24時間営業のスポーツジムも、すっかりサブスクで寄付行為を重ねるだけの対象となってしまった。妻からは、もったいないからやめろと言われる。いや、今度行こうと思ってるんだよ。
2年前まで寄付をしていた地元のスポーツジムは立派なサウナと大浴場があって、おっさんたちがいっぱい来てた。7割くらいは風呂に入って世間話をするためだけに来てたんじゃないか?

「ねえ、体重何キロだった?」

妻のキョウコが後ろからひょっこり出てきて言う。

「え、いや」

思わず口をつぐむ。

「まあ、いいけどさ」

キョウコは、口調はつっけんどんだが、自分と違って割と敏感だ。気を遣ってそれ以上は聞かない。ただ、たまにちょっと気を遣いすぎなんじゃないかという気がしてしまうときもある。

「顔まわりだけだとそんなにデブって感じでもないけど、お腹だけすごい出てるよね」

妻がリビングのソファに深く腰掛け、まじまじと腹を見つめながら言う。気を遣っていても、自分に対しては平気で「デブ」っていう。

「パパって本当に太ってるよね。心配だよお。」

リビングの机で漢字ドリルをやっている小学校4年生の娘は、最近授業で生活習慣病の恐ろしさを学んだらしい。

「パパ、ぶよんぶよん」

小学校1年生になった息子は、ゲラゲラ笑いながらお腹に飛び掛かってくる。

「ママ、これ食べてもいい?」

息子は机の上にあったカントリーマアムに手を伸ばす。「1個だけね」と妻。
カントリーマアムか、懐かしいな、どれどれパパも一つ…

「パパはダメ。もう8時過ぎてるでしょ」

妻と娘が、口をそろえて言う。

パパは原則炭水化物禁止、8時以降は飲食禁止になってしまった。

妻は、パソコンに向かって必死でタイピングをしている。最近はパソコン作業が多いようだ。

明日は、仕事だけど、朝ジム行こう、ジム。

2024年6月24日7:30

久しぶりに、朝からジムに行ってきた。たまに行くと汗が心地いい。こういうのがランナーズハイっていうのかな。違うかも。でもお腹すいたよ。

なんか、うまく痩せる方法ないかなぁ。やっぱ有酸素運動かなぁ。そういえば、昔、為岡市のシティマラソンに出たっけなぁ、あれは散々だった…

「マラソンか…」

もう10年近く前だと思うけど、たしかランナーズネットに登録したはずだ。まだアカウント生きてるかな。検索。カチッ。

すごい。まだ、アカウント生きてた。懐かしい。パスワードも今よく使うやつと同じだ笑。まだ、当時の記録がのこってる。ひどい記録だ。

ちょうどいいから、エントリーやってみようかな、今から2か月くらい先。暑いから避暑地がいいよなあ。

サイト内をサーフィンをしながら、以下の文字が見つかった。

「草田温泉周遊マラソン」

温泉とかいいじゃん。こういうの人気そうだけど、調べてみたら10kmコースが奇跡的にまだ取れそうだった。

まあ、あんまり気負いすぎず、完走できればいいでしょ。予約っと。

ああ、もう時間だ。仕事のためスーツに着替える。今日は、ちゃんとネクタイもしてかないといけない日だ。

「スーツだったら、お腹もそこまで目立たないんだけどね。」

と妻のキョウコ。
話しかけられたと思ったら、妻は、次の瞬間すぐスマホを見てテレテレ笑っている。何かいいことでもあったのだろうか?


妻はいったい何をしているのか?


その問いが一瞬よぎったが、もう仕事だ。


とりあえず、明日も朝ジム行こう。




※これはフィクションです

(つづく)

次回は7月6日(妻編①)


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