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認知症ってどういう病気?

『認知症世界の歩き方』

認知症というほとんど無縁と思え、自分ごと化できない病気がある。知っての通り「痴呆症」「ぼけ」「忘れる」と表現され、ドラマや映画などで認知症が”どういうもの”なのかを理解しているように勘違いしてしまう。

実際にネットで調べても介護目線や医療目線が主に説明されている。本書の大きな特徴としては認知症患者目線で作られていることだろう。

中でもそういう国または世界を舞台に地図までも用意されている世界観は誰が見ても体験型となっており、非常にイメージしやすい。

「こうなると認知症状ですよ」ではなく「乗るとだんだん記憶がなくなるミステリーバス」と表現を変え、まさに私たちが乗るか、実際に乗った人の話を聴きながら認知症とはどういうことなのかを理解しやすいように説明してくれる。

特徴的なのはその配色と図解というより絵本のようにたくさんの絵が散りばめられている。読者目線にたち認識能力を底上げしてくれており、認知症患者を理解するための知識が糞団によりわかりやすく作られている。

介護歴10年目になる私も認知症を理解しているようでやはり言葉として作られたものを見るのと感覚で覚えてきたものでは雲泥の差があると感じた。

中でも認知症といえば「徘徊」が有名なのはドラマや映画にも出てくるので知っている方も多いかもしれない。しかしこの徘徊という表現を変えた面白い一部を紹介したい。

”ストーリー3 アルキタイヒルズ 思い出のタイムトラベルから、抜け出せるか! 認知症世界。この世界には、いつの間にかタイムスリップしてしまい、過去の思い出とともにどんどんあゆみを進めたくなる不思議なまちがあるのです。”

このワクワクしながらどんな症状なのだろうと体験した気持ちにさせてくれる本書をぜひ「認知症ってどんな感じ?」と聞かれてうまく言葉にできなかった人にとってのAIには作り出せない人間らしさが溢れる言葉に変えて説明ができるだろう。

介護経験者は必読書であることは間違いない。理解して携わるのとそうではないのとではやはり差が生まれる。

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