見出し画像

「花火」と「お盆」

夏の夜を彩る花火大会🎇

花火は江戸時代から日本人を魅了し、人々の心を元気にしてきました。

​今年も残念ながら感染症対策で全国的に中止になっているところが多くなっていますが、実は最古の花火大会で花火を上げた目的は「鎮魂」それに「悪疫退散」だったのだそう。

画像3



日本最古の花火大会

花火大会の最古として歴史的記録が残っているのは、例年テレビで中継も行う東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」です。

実はこの名称は、昭和53年からと意外と新しいもの。その前は「両国の川開き」という名称でした。

AdobeStock_164767708-[更新済み]

今から約300年前、江戸時代・享保17年(1732)の大飢餓で多くの餓死者が出て、さらに起こった疫病の流行により国は多大な被害と影響を受けました。

時の8代将軍吉宗は、翌年に人々の「鎮魂と「悪疫退散を祈って水神祭を行い、その際に両国周辺の料理屋が幕府の公許により花火を上げたことが今日の花火大会のはじまりなのだそうです。

画像7


夏は祖霊をまつる“鎮魂の季節”

そして「夏」で「鎮魂」といえば「お盆」ですね。

「お盆」とは、古来からの日本の祖霊信仰仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)が融合した、先祖の御霊(みたま)をお祀りする行事

今月の御朱印のテーマである「みたままつり」も漢字で書くと「御霊祀り」   故人の遺徳を偲び、霊魂を慰めることを指します。

画像6

各地で行われる「盆踊り」も、霊魂を慰めるために行う盆行事から生まれたものですし、東京の夏の風物詩・靖国神社で毎年7月に行われる「みたままつり」も、お盆の時期に合わせて鎮魂を祈るお祭りです。

画像5

「精霊迎えや、「五山の送り火」など、この季節には "祖霊を迎えて様々な形でもてなし、一族で共に同じ時間を過ごす" ことが何より大切にされています。

花火にお盆。暑い夏は“鎮魂の季節”でもあるのです。

画像8


家を守る「ご先祖様」

「祖霊」というのは、その家の「ご先祖様」のこと。

家を守護し血族を守る、誰にとっても直接的な繋がりを持つ存在です。

故人の魂である御霊(みたま)は「祖霊」から、大神のお護りとお導きを頂きながら子孫の追慕(ついぼ)をうけ家の守り神である「祖先神」となり、時間の経過と共に清まって“神”の位に昇られ、日本の国をも守る「八百万の神々の一員」となります

画像6

お盆の時期に一族で集まり、自らのルーツに思いを馳せ、きずなを深める豊かな時間を共に過ごす。

そんな伝統的なお盆行事も変化を避けられない厳しい時代です。
一族で集まることは難しくとも、それぞれにお墓参りに行ったり、電話を入れたり、メッセージや手紙を送ってみるなど、時代にあった形で心を寄せ合う方法を考えてみませんか?

画像9

祖霊に感謝し家族で過ごす時間を持つことで、毎年当たり前のように紡いできた「日本のこころ」を絶やすことなく繋いでいきたいものですね。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?