お正月、どう過ごす? お正月は何で「めでたい」のか
新年明けましておめでとうございます。
東京は31日から清々しい気候の中、穏やかなお正月を迎えました。
昨年は、多くのご参拝、心からの御崇敬をいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。
本年もよろしくお願いいたします😊
年明けにかけて行われるカウントダウンなど、親しい人と集まってワイワイ過ごすイメージが強いお正月。とはいえおうちでまったり寝正月も魅力的ですよね😊
今年はコロナ禍で迎えるお正月ということで、全国の神社では三箇日に人出が集中しないよう、一月いっぱいを初詣期間と捉えて分散参拝を呼び掛けています。
年のはじめに一年の感謝を捧げ、新年の無事と平安を祈願する「初詣」。
お正月に初詣に行くことは私達にとってはごく普通の光景ですが、「初詣」が一般的になったのは明治以降と実は比較的新しい慣習だったりします。
では、それ以前のお正月はどう過ごしていたのでしょうか。
◆正月はなぜ「めでたい」の?
諸説ありますが、お正月の日に家々を訪れるといわれる“歳神様(としがみさま)”がかつての日本の正月を紐解くキーワードとなります。
歳神様というのは来訪神であり、祖霊神でもあり、穀物神でもありと複雑な性質を持っていますが、「新年に家々を訪れて繁栄をもたらす」という点で一致しているめでたい神様です。
大掃除の後、家を飾るお正月飾りも、歳神様をおもてなしするためのもの。
「門松」には歳神様を迎え入れる依代(よりしろ)の意味があり、「注連縄(しめなわ)」で聖域を作って、「鏡餅」でおもてなしをします。
歳神様をもてなす準備をして新たな年の始まりをめでたく迎え、元旦にはみんな揃って1歳年を取っていました。「数え年」はその名残です。
みんなの誕生日でもあるこの日にご馳走を食べ、新しい着物を着てお祝いをしていたのです。
だからこそお正月はよりめでたいんですね🎍
「明けましておめでとう」と言葉にすることも、お互いに口に出して言い合うことで実際に良い1年を迎えられるような、おまじないのような意味もあります。
また、「めでたい」は漢字で「芽出度い」と書きあてることもできます。
これから迎える田植えの季節に健康な芽が出ることを願って、それをあらかじめ祝う「予祝」の文化も習俗として広がっていったようです。
◆現在の初詣に続く「恵方参り」
また、歳神様を迎える為に、かつての正月では正月棚を設け、家族と共に家の中に籠り身を清め、祭事の前に穢れを隔離する為に外部との接触を断つ「忌み籠り(いみごもり)」をして年が明けるのを待っていたといわれています。
現代でも大きな祭儀の前になると神職は斎戒(忌み籠り)をすることもありますが、昔は一般家庭でも行われていました。当時の人達にとって新年の位置づけが非常に重要だったということが伺い知れますね。
お正月前のこうした「忌み」の感覚が弛緩していった江戸時代後半、江戸では自ら方角の良い方面の社寺に出向く「恵方参り」が流行します。
この「恵方参り」は現在の「初詣」に続く習慣であるといわれていますが、必ずしも元旦に行うものではありませんでした。
明治になり太陽暦が採用され、年の改まる機会は節分から元日に移ったことで、年の初めの「めでたさ」が強調されるようになり「初詣」が日本のお正月のスタンダードになっていったようです💨
時代の変遷の中で、様々な要因が生活や文化と絡まり合って、現在のお正月の形がつくられてきました。
お正月は、気持ちも新たに清々しく一年をスタートして頂くための大切な節目。
年の初めは、この1年がより良い年になるよう、笑顔で「おめでとう」と声を掛け合いたいものですね♪
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