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【端午の節句】五月飾りはなぜ飾る? 五月人形や鯉のぼりに託された『願い』🎏

薫風になびく5月の「鯉のぼり🎏」

最近はよそ様のお庭になびく姿を見ることも少なくなりましたが、街中でふと目にすると「今年もこの季節がやってきた」という気持ちになります😊

今月の特別御朱印でも「こどもの日」にちなみ、"門を潜り抜け、鯉は飛竜に成る"『登龍門伝説』をモチーフに、急流をダイナミックに上りあがる姿が描かれています。

今日は、この「端午の節句」に隠された様々な想いを紐解きます♪


◆5月5日は「こどもの日」&「端午(たんご)の節句」!

5月5日は「こどもの日」🎏! この日は江戸時代に幕府が公的な祝日として制定した“五節句(ごせっく)”のひとつ、「端午の節句」の日でもあります。

この日は子供の健やかな成長をお祝いする日ですが、特に男の子のいる家では鯉のぼりや五月人形などを飾り、ちまきや柏餅などでお祝いをします。

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現在は季節の中でも過ごしやすく、新緑の溢れる爽やかな5月ですが、かつては1年で最も忌まわしい月(悪月)とされていました。

というのも、旧暦5月は、現在の5月末~6月末にあたり、ちょうど入梅の頃と重なります。旧暦五月の入梅の頃は、伝染病や毒虫の害が起こりやすい「要注意の月」だったのです。

ちなみに、「五月(さつき)晴れ」という言葉がありますが、もともとは新暦の爽やかな五月の空ではなく、旧暦の梅雨の晴れ間を表す言葉です。

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◆“祓えの月”から男の子の成長を祈念する「こどもの日」へ

体調を崩しやすい「悪月」であったこの季節、人々は菖蒲(しょうぶ)やヨモギで邪気を払い、厄を除こうとしました。

剣のような葉の形と強い根の香りが邪気を払うとされた菖蒲(しょうぶ)は、邪気から身を守るためのもの。さらに“しょうぶ”という音が「勝負」「尚武」に通じることから、武家社会では特に大きな意味を持つようになりました。

現在でも菖蒲は家の屋根や軒下に差したり、お酒に浸して菖蒲酒にして飲んだり、お風呂に入れて「菖蒲湯」にして浸かるなどして用いられます。

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雛まつりも雛人形に厄を移して流す祓えの概念から生まれたものでしたが、この日に飾られる五月人形も同じように、もともとは厄を人形に託して流すことから誕生したものです。

貴族中心の社会から武家中心へと移り変わった江戸時代には、前述の「尚武(しょうぶ)」の節句としての意味合いが強くなり、次第に跡継ぎとなる男児の成長と、一族の繁栄を祈念するものになっていきました。

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このような変遷により端午の節句では、戦場で身体を護る武具であり武士たる精神の象徴でもある鎧や兜を飾る風習が生まれ、女児の桃の節句に対する男児の菖蒲の節句という側面が補完されていきました。

このようにして、かつては入梅の頃、悪月の始めに行った祓えの節句が、「男児の成長を一家を挙げて祝い願って、未来に想いを馳せる節目の日」と移り変わっていったのです。


◆「登竜門を」潜り抜けて鯉は飛竜に成る

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5月の澄んだ空をダイナミックに泳ぐ鯉のぼり。

鯉のぼりも端午の節句には欠かせないアイテムですが、実は定着したのは江戸時代も中期を過ぎてから。

江戸の町民の間で生まれ、武家でも取り入れられるようになり、全国に広がっていったという経緯を持つ節句飾りなんです。

ちなみに、現在は色とりどりの鯉のぼりが見られますが、江戸の鯉のぼりは黒い真鯉だけで、時代を経るごとに、次第に緋鯉(赤)、子鯉(青)と追加されていったという変遷があります。

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この鯉のぼりを飾る風習は、「登龍門伝説」に由来します。

登龍門の伝説では、激流が連なる「龍門」と呼ばれる難所があります。この険しい龍門を登りきることができた鯉は「飛龍に成るとされ、龍は王者、すなわち「人徳を兼ね備えた立派な人」を指します。

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この「登龍門伝説」と、鯉の強い生命力や繁殖力が相まって、鯉のぼりは“子孫繁栄と立身出世を願う最強の節句飾り”として端午の節句に欠かせないものとなっていきました。

力強く青空を泳ぐ鯉のぼりには、男の子が様々な困難に打ち勝って立派に大成するよう願いが込められているのです。


◆天神さまと登龍門

そしてこの「登龍門」との浅からぬご縁があるのが当社御配神の菅原道真公。

学問の神様として信仰の深い道真公は、33歳の若さで学者として最高の位であった文章博士(もんじょうはかせ)になられ、類まれなる才覚で藤原家全盛の中、右大臣にまで登り詰めました。

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天神信仰の原点の地、桃山時代に建造された太宰府天満宮の御本殿には、道真公のご生涯を登龍門伝説に重ねて、鯉の背に乗り登龍門へ向かう姿が彫刻されています。

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普段は雲に乗っている道真公が、5月の特別御朱印で鯉に乗っているのはそういうことだったんですね😊

太宰府天満宮にご参拝の際には、本殿向かって右上にある登龍門の彫刻にも注目してみて下さいね!⛩

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