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虫の目・鳥の目・魚の目で、視点を変えて世界を見る

虫の目、鳥の目、魚の目という言葉があります。

これらは「物事をあらゆる視点から見てみよう」といった意味で使われる言葉です。

悩んで行き詰まったときには一旦立ち止まって、広い視野で物事を多角的に見てみる。そうすれば見えなかったものが見えてきたり、進むべき道が見つかるかもしれません。

悩んで迷ったときにふと、思い出してみると良いでしょう。

①虫の目
目の前のものを集中して見る目

②鳥の目
空から俯瞰して全体を見る目

③魚の目
流れを読んで未来を見とおす目


ひとつずつイメージしてみます。

まずは、虫です。

虫の目

目の前のすべてのものが大きく見えますね。
自分は小さな存在です。身を守るためにいつも神経を尖らせて、辺りを睨むように注意深く見ているはずです。集中力が研ぎ澄まされて、気を緩めればたちまち外敵に襲われてしまう恐怖を感じています。


仕事に例えれば、プレッシャーです。
いつも何かに追われてプレッシャーを感じている状態。

いつも時間やタスクに追われて疲れてはいませんか?

目の前の仕事に集中し過ぎて、周りが見えなくなっているかもしれません。周りが見えなければ他の人へのサポートができませんし、誰かのサポートにも気づきません。

一人で抱え込まず、休むことも必要です。

物陰に隠れてフッと一息つく時間、安心できる場所を見つけましょう。



サッカーに例えるなら、

今あなたは目の前の相手をドリブルで抜くことだけを考えています。確かに抜ければ大チャンスです。でもボールを取られると一気にピンチになります。

勝負どころを見極めなければいけません。

きっと横を見れば仲間がフォローしてくれています。パスを出して、ワンツーで抜け出せば良いのです。


次は、鳥になって空を飛んでみましょう。

鳥の目

空高く飛びあがり、景色が遠くまで広く見えます。
風が心地良いですね。

どこにどんな建物が立っているのか、どこに人が集まっているのか、どの道が渋滞しているのか、あらゆる場所で何が起こっているのか一目瞭然。周りがよく見えます。助けが必要なところにはすぐに飛んでいくことができます。鳥ですからね。

仕事に当てはめるなら、目の前のやるべき仕事を少し俯瞰で見てみるということです。

この作業は何のためにやっているのか、誰の役に立つのか、どうすれば次の作業にスムーズに繋がるのか。目の前のことを「こなす」だけではなく、前の作業と後の作業の関係性を俯瞰して見れば、今やるべき優先事項がわかります。そうすれば自分だけではなく、周りの作業効率も上がるはずです。

また、周りがよく見えれば、相手が何を求めているのか何を考えているのか、わかるようになるかもしれません。誰もが円滑なコミュニケーションを図れる職場になるでしょう。


さて、サッカーで例えるならわかりやすいですね。
観客の視点です。私たちは観戦するときピッチ全体が見えています。

逆サイドにスペースがあるのが見えているので、「何でパス出さないんだよ!」と思ったりします。プレーヤーとしては、ピッチ上から遠くのスペースはなかなか見えないものです。だからこそ、ズバッとサイドチェンジのパスを通すのはスゴいことなのです。

「そこに出せ」というところに的確に予想通りのパスを出せるのも良い選手ですが、それ以上に、予想もしていないところにスルーパスを出して決定的なチャンスを創り出す選手がいます。

それを「ファンタジスタ」と呼びます。

そんなファンタジーを目撃したとき、観客は熱狂するのです。



最後に、魚になって海を泳ぎましょう。

魚の目

まっすぐ泳いでいるつもりでも、いつの間にか体が流され、目的地がどんどん遠ざかってしまいます。海の中では目に見えない潮の流れがあります。それを敏感に感じ取って、どの方向に流れていくのか先を読む力が必要です。

陸の上での「流れ」とは、時代の流れや世の中の流れのことです。もっと身近なことなら、一日の仕事の流れでも良いでしょう。

「この先どうなるか?」

未来を見通す目が必要だということです。
常にアンテナを張って、予想して、流れを感じ、自分の向かう方向を決めるのです。

時には流れに身を任せることもあるでしょう。しかし、潮の流れは絶えず変わり続けます。身を任せているだけでは、今どこにいるのかわからなくなって取り残されてしまうかもしれません。「魚の目」とは言うものの、魚の視力は発達していないと言われています。見えているのではなく、感じ取って泳いでいるわけです。

「流れを感じ取る力」それが魚の目です。


サッカーの試合には必ず「流れ」があります。
チャンスが多いときは「良い流れ」
ピンチが続いているときは「悪い流れですね」
と言ったりします。

チーム力に差があっても、不思議とそれぞれ良い流れ悪い流れの時間帯があるものです。ワンチャンスを決められるかどうか。それが勝負の分かれ目です。

ゲームをコントロールできる選手

というのは、試合の流れを読むことができる選手です。主にセンターに位置し、ボランチと呼ばれるポジションでゲームをコントロールします。
「ボランチ」はポルトガル語でハンドルを意味する言葉であり、チームの舵取りをする選手ということです。今は攻めるのか守るのか、それとも時間を使うのか。流れを読んでチームの方向性を決めます。

良い流れのときには一気に攻め込み、点を奪おうとします。逆に悪い流れなら、ピンチが続かないようにできるだけボールを外にクリアしたり、マイボールをキープして、悪い流れを断ち切ろうとします。

いかに流れを読んでチームの意思統一をするか。
サッカーは個々の能力が高いチームが必ず勝つわけではありません。全員が同じ意思を持ってチームの勝利のためにプレーしたほうが勝つのです。

いわゆる「ジャイアントキリング」が起きるのはそのためです。

強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ
フランツ・ベッケンバウアー

元ドイツ代表「皇帝」ベッケンバウアーもそう言っています。


まとめ

虫の目・鳥の目・魚の目はビジネスに使える考え方でもあり、サッカーにも大いに当てはまることがわかりました。そのほかにも、身近なことに当てはめて考えてみると見えてくるものがあるかもしれませんね。


まずは目の前のことを。
次に広い視点で俯瞰する。
さらに流れを感じて未来を見る。

以上、読んでいただきありがとうございました。

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