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焼きそばの果てしなき旅【その2】

本当に果てしなき旅だ。どこまでも続きそうな旅。一本道ではなく幾つもの旅を焼きそばの名の下に同時にしている感じ。それぞれの焼きそばにそれぞれの物語があって、それは複数の本を同時に読み進めている感覚にも似ている。何のためにやっているのか、終えたら何を得られるのか、そんなことはもう既にどうでも良くなってしまった。過去も現在も未来もみんなここに集まって焼きそばになる。それが僕の焼きそばの旅。あと、自分で作る時は一つだけルールを決めた。ちゃんとフライパンで作る。焼く。これだけは守ろう。

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まずは袋麺コーナー。いきなりローカルになってきた。このパッケージに見覚えがない方も非常に多いでしょう。

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茨城県水戸市に本社工場のある「麺のスナオシ」が発売している麺's 味工房 ソース焼そば。茨城や千葉などで入手可能とのこと(送ってもらった)。価格が5食入りパックで169円(税抜)とヒジョーに低価格。一食当たり約34円(税抜)。このメーカーのカップ麺は50円台だったりととても安い。さあどんな味なのだろう。

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作ってみた。ソースは粉末。青海苔などは付いていない。

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ごく当たり前にインスタントの焼きそばである。味はちょっと甘いか。食べているとお菓子に含まれているような香りを感じた。まあおやつ感覚なのかと納得。麺などはちゃんと美味しい。十分に満足出来る。それにしても僕はインスタント袋麺の焼きそばを作るのが本当に上手くなったと思う。コツを掴んだようだ。よしよし。

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続いてはカレーや香辛料の製造販売でお馴染みのS&B(エスビー食品)のホンコンやきそば。1964年に発売のこれまたベテラン登場。当初は全国で販売されていたが、現在は根強い需要のある北海道、宮城県、大分県の一部でのみの販売となっている。これは石巻の知人から送ってもらったもの。石巻ではソウルフードであるとのこと。

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作ってみた。これは麺に味が付いているので別添えのソースはナシ。フライパンにお湯を沸かしてそこに麺を入れて、水分がなくなったらもう出来上がり。付属のふりかけはゴマと青海苔。

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これはソース味ではないのです。日清のチキンラーメンに近い味わいの傾向。パッケージの説明には豚のダシとコシのある麺の食感にこだわった、とある。なるほど豚なのか。ポークラーメン。そこから転じてホンコンやきそばなのか。この懐かしいようで新しい味わいは、もしかしたらクセになるやも知れない魅力を内包している。アレンジも色々思い付いた(具材を増やすのではなく味付けにプラスする方向)。このホンコンやきそばだけでもきっと素敵な市内観光が出来るに違いない。ホンコンやきそばにはまた再登場をお願いする。

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これは東京は有楽町駅前にある交通会館に入っている北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ 有楽町店」にて偶然発見した角屋のやきそばなる商品。麺と一緒に紅ショウガのスライスが付いている。このパッケージの佇まいに一目惚れ。製造元の彩食倶楽部かどやは北海道美唄(びばい)市の食品会社、昭和31年創業(当時は高橋製麺工場、後に角屋と改名)。この角屋のやきそばは当時栄えていた炭鉱で働く人達が、おやつ感覚で手軽に食べられる商品として人気を博したとのこと。何が手軽なのかと申せば、まず麺に味が付いていること。そして地元の方はこれを焼かずにこのまま食べていた(今も食べているのかも)そうな。パッケージの上部には<フライパンでいためてお召し上がりください>と書いてありますが、焼かずに箸も使わずにガブリでモグモグなのだそうな。それを知ったのがもっと後のタイミングだったので僕はまだそのガブリをやっていない。今度やります。

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フライパンで炒めて紅ショウガを載せれば出来上がり。麺に味が付いているので、炒めて麺がほぐれたらオーケー。

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何と見目麗しい。こうして出逢うことが出来て光栄です。そしてイタダキマス。

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何たる歓び。何たる幸せ。薄味なれど僕にとって物足りなさは皆無。麺自体も口当たりや食べ応えが抜群。素朴で飾り気のない味わいが僕の魂を震わせた。これはきっと世界一ウマイ食べ物だ(何かを食べる度に世界一と云っていますが)。心から感動した。ウマウマウー。出逢いこそが人生だ。ありがとう角屋のやきそば。ありがとう美唄。今度は炒めずにそのまま食べます。

そして僕がツアー先などの日本各地で食べた焼きそばのことを色々と思い出した。もう既に旅は始まっていたのだ。幾つかの印象深い焼きそばを思い出して、それを自宅で再現することは可能だろうか。そんなことを考えて、思い付いた方には連絡を取ってみて、とても嬉しいお返事を幾つも戴いた。もっともっと焼きそばのことを知りたい。焼きそばの世界に浸りたい。自分の体重とも相談しながら、まだまだ旅をします。第2回はここまで。次回予告。

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焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。

焼きそばの果てしなき旅【その1】
焼きそばの果てしなき旅【その3】

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