焼きそばの果てしなき旅【その3】

世の中大きく変わりつつある瞬間です（2020年8月28日17:00過ぎ）。それなのに焼きそばのことを書く。僕の好きな創作（音楽や文章など）には全く関係ないようでいて必ず大きな（強いわけではない）政治的なメッセージが含まれている。優れた創作には政治は必要不可欠だと考える。それは意図的でも無意識的でもあると思う。僕の焼きそばへの文章にも何かメッセージが入ればいいな。入んねぇか。政治と焼きそばを一緒にしないでと云われちゃうかな。云われねぇか。まあいいか。

クレイジーケンバンドで数年前に群馬県（高崎市だったか太田市だったか）で公演を行った時、トランペットの澤野くんの友人の和田さんから焼きそばの差し入れをして戴いたのを思い出した。場所は正確に覚えていないのに焼きそばのことだけ克明に覚えている。食べ応えのある太麺のソース焼きそば。それがとても美味しかったのだ。それを自宅で再現出来ないものか、ふと考えた。

差し入れをしてくれた和田さんは群馬県前橋市で『DINING Ben』と云うお店をやっておられる。そして和田さんとはFacebookで繋がっているので、その旨をお伝えしたところ、麺とソースを送ってくれる段取りになった。ありがとうございました。本当はお店に行って作り方を学びたいところだったが、このご時世なのでまたの機会に。店内でミニライブも出来るそうなのでいつか必ず。

早速、大量の麺と一升瓶に入ったソースが送られてきた。いやこれは凄い量だ。焼きそばをいっぱい作れる。麺は『山岸製麺』製の中華麺。ソースは『田辺ソース店』製のミツビシソース。どちらも群馬県前橋市内で作られているもの。旅はこうして自分の家でも出来ることになった。早速旅に出よう。

麺はかなり太くて、少し乾燥したような状態で送られて来た。これを2分程度お湯で茹でてから使う。茹でない方法もあるらしいがそれはまた教わるつもり。キャベツと豚肉を炒めて、麺と合わせる。味付けの時にスープを加えるとコクが出るとのことで、冷蔵庫に常備の味覇（ウェイパァー）などを使用。そしてミツビシソース。なるべくシンプルに作ることを心掛けた。

太麺焼きそばの出来上がり。

イタダキマス。

もっちりとした太麺。ウスターにしては甘めで懐かしい感じの味わいのミツビシソース。これがフライパンの中で炒められてマリアージュしてコラボレーションして、素晴らしく美味しい焼きそばが出来た。ウマウマウー。太くて食べ応えのある麺を愛でるのは、そばでもうどんでもスパゲティでもラーメンでも僕の好みは一貫している。細いのもそれなりにスキなのがありますが、太いの細いのどちらにすると問われれば、太い方をと即答します。初めて作ったのでお薦めのレシピ通りに作ってみた。次は自分勝手に作ってみよう。

ストイックに麺とソースだけの太麺焼きそば。

麺の食べ応えを存分に味わうために、炒める前の茹で時間は半分程度（1分ちょい）にしてみた。麺がやんちゃだ。イタダキマス。

麺をガシガシと噛んで食らうこの感じ。心により一層グッとくる瞬間。ソースの甘さの中にバラエティーに富んだスパイシーさがたくさんあるのをゆっくりと味わう。なんてシアワセなのだろうか。ウマウマウー。しかしここまでストイックだと逆にちょっと物足りない気もする。具材を改めて検討した。

キャベツと、伊藤ハムのポールウィンナー、そして玉子を加えてみた。ポールウインナーは関西2府4県での売上が90％以上と云う関西のソウルフード。これを北関東は前橋とマリアージュさせちゃう暴挙をお許しください。でもポールウィンナーとミツビシソースは相性ピッタリだった。玉子は炒めている間に四散してしまいご覧のような有様に。味はとても美味しかったのだけれど。

玉子の扱いに関しては、惜しまれつつ閉店されてしまった横浜市南区八幡町の『磯村屋』のような仕上がりを目指したのだった。残念。この方向性はまた新たに研究が必要だ。

ふと思い出したのは名古屋の『おやつ饅頭』の焼きそば。こっちを目指そう。

結果はこうなりました。なんだかとても素晴らしいルックス。子供の頃から玉子が苦手だった僕は、こうして玉子焼きを作るのもほぼ初めてに近い。おっかなびっくり作ったから、次はちゃんと落ち着いて作ろう。色々やってみたらあれだけあった麺もなくなってしまった。ソースも随分と使った。前橋の太麺焼きそばの旅、とても楽しかった。ウマウマウー。ここは必ずや再訪する。そして前橋にも行こう。第3回はここまで。次回予告。

袋麺ワールドに帰還予定。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。

焼きそばの果てしなき旅【その1】
焼きそばの果てしなき旅【その2】