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近道への旅

日本の実業家である稲盛和夫が言いました。
『バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。賢い奴は複雑なことを単純に考える。』

皆が後者的思考でモノゴトを見れれば、ビジネスをもっと効率的にまた革新的に遂行できると感じます。しかし、日本企業はこのような人を作ろうとしてこなかったようです。特定の人物以外は誰も発言しない長時間の会議の連続。上司からの無理難題を疑問も感じずに遂行し、失敗したら叱られ、成功しても褒められない。どれひとつとっても人の感情が動かない、良く言えば忠誠心の強い、悪く言えば無機質な企業人を育てているように感じます。小さいことから膨大な情報を処理するトレーニングを行い、手を抜かず真面目に大人になった現在のビジネスマンたちは、ひたすらに我慢強く、ひたすらに単純無知なのです。膨大なタスクをこなすことにも疑問や苦労を感じず、楽する方法を思考することさえありません。

また、ビル・ゲイツはこう言いました。
『僕は、難しい業務は怠け者に振る。彼らはどんな作業も簡単にやる方法を導こうとするからね』

結論から言うと「賢い奴 = 怠け者」なのですが、怠け者は、タスクをいかに早く終わらせ、浮いた自由な時間を楽しもうと努力(思考)します。思考する行為の大半は、複雑な構造を単純化する作業に費やされ、明確なゴール(近道)を設定します。その時点で実作業の8割は終えたようなものです。『誰でもわかるような例え話がする人は賢い。』と言われるのがそれです。これらの怠け者に共通するのが、他人の意見に惑わされず自我をしっかりと持っていることです。また、モノゴトを注意深く観察し、仕事以外の経験が豊富、過去の失敗から独自の進化論を持ち合わせています。ゆえに、面倒な業務を上司から押し付けられても独自のメソッドから単純効率化し、短期間で確実に同等の結果を導き出します。只々、無駄なことに時間を費やすのを嫌い、ビジネスに関しては誰よりも責任感と実行力を兼ね備える、実はとても「まじめな人 = 怠け者」だと感じます。

業務の効率化は、まず与えられた仕事に〝疑問を持つ〟こと。そして、そこに「?」が見えるたならば、そこからあなたの近道への旅は始まります。

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