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逆さまに見る

私が好んで立ち寄るドイツ料理のお店があります。決まってランチタイムに車で訪れるのですが、リーズナブルで美味しく、しかも小洒落ていると三拍子揃ったベストショップです。

いつものようにランチを食べていると、奥のボックス席で遊び慣れたマダム達が、大きなグラスを抱えながら楽しそうにビールを飲んでいました。以前から幾度か見たその光景に羨ましいとは思いつつも「車で来ているから」と指をくわえるばかりでした。しかし・・・

その日誓った「今度はビールを飲む目的でランチに来よう」と。

一度味わうと止めることができない「昼飲み」。特に平日の昼飲みは、別席とは見えないビロードで区切られた異世界に誘われているかのような、独特な贅沢感と優越感を提供してくれます。さらに、これらの精神的メリットとは別に、物理的メリットも昼飲みには存在します。夜に飲むと終電を気にしながらも深酒をし、家に帰って寝るだけです。しかし、昼飲みですと飲んだ後にショッピングをしたり映画を観たり、別のレジャーを満喫することができます。当然、それらを予定するのであれば、深酒の抑止に繋がりますし、そもそも昼間からフラフラ歩くのは恥ずかしい行為です。ほろ酔いを暗黙のうちに提供してくれることも昼飲みの素晴らしさのひとつとも言えます。

物事を「逆さまに見る」。

これは、固定概念を打ち破る方法として効果的です。逆さまに見えることで気づく矛盾や新しい視点、柔軟な思考を半強制的に提供してくれます。まずは、机上から離れリアルを実践してみてください。逆さまにすることで生まれる矛盾を体感する過程の中に、新しいヒラメキがきっと潜んでいます。

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