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【詩】 落ちていく

見渡すかぎりの空の
青のグラデーションのなか
上も下もわからないまま
落ちている感覚だけがある

体が風を切る音
袖や裾がはためく音
空気が耳を掠める音が
どこか他人事のように聞こえる

何もかも離れすぎて
もう見えなくなったのか
もともと何もなかったのか
覚えていることも何もなくて

静かな心が空を見ている
穏やかな空を落ちていく
何もない空を
静かな気持ちで落ちていく





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