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【詩】 ジェットコースター

ずっと夕暮れのままの道を歩いている
なつかしい、あの川の土手のような
あのカメラ屋さんの坂道のような
ずっと夕暮れのままの道を歩いている

色褪せたレールが空に浮かんで
もったりと夕陽に浸かっている
がたがた音をたてながら
ジェットコースターが走り抜けていく

百円玉二枚ポケットに握りしめて
がたがた走る音だけ聞こえながら
僕にはどうしても
乗り場を見つけることができなくて

泣きたいくらいきれいな夕暮れの空に
レールがしずかに浮かんでいる
僕はいつまでも乗り場を探して
ずっと夕暮れのままの道を歩いている





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