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【詩】 交差点にて

横切っていくトラックの面に
青やオレンジの光が纏わりつく
ハイが削られて地を這う轟音に
歩道の小さな木の葉さえ震えないのに
心は夜の冷たい空気に浸って佇む
水の中で揺れる布のように

ここは初めてくる場所なのか
毎日通っている場所なのか
わからなくなった時の目印に
———光をください、青やオレンジの
   形は無くとも
   触れれば温度がわかるような

いつだって何気なく歩いていくことを
身につけるのにどれだけかかっただろう
ヘッドライトがそこでしゃがんでる間に
横断歩道の白線が偶数か奇数か確かめる
窪みに溜まる雨水のように
ぬるい光が白線を染めている




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