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miktak
【詩】 靄
ぱさりと草の音がして
しかし体が地に着く感覚が無かった
草の先が軽くたわむだけで
体が少し浮いているようだった
あたりは深い谷のように見え
池のほとりのようにも見え
ひらけた景色のあちらに
家が何軒か眠っている
夜明け前のかすかな明るさに
薄い靄がゆっくりと漂っている
靄は木々を隠し 家々を隠し
そっと静かに水面にふれる
やがて空から陽が差して
靄が白さを増していく
ゆっくりと薄れて
いつの間にか消えていく
草の上にあった体が
だんだんと光に透けていく
もうたわんですらいない草が
明るく緑色を帯びていく
さっきまでここに誰がいたのか
もう思い出せなくなる
靄が晴れた朝の光の中で
草の緑がきらめいている
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