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WITH CORONAを、どう描くか。

5月14日、39県で緊急事態宣言が解除された。まだ解除されていないのは、8つの都道府県(※1)のみだ。しかし、外出やイベント開催の自粛要請は継続するとしながらも、大阪・兵庫・京都は5月16日から大規模な商業施設などを対象とした、大幅な要請解除に踏み切った。つまり、WITH CORONA(※2)がはじまった。
※1 北海道、関東(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西(大阪・兵庫・京都)。
※2 WITH CORONAなどの名称については、SIGNINGの資料を参考にしました。

WITH CORONAでの企業活動

これまでは自粛せざるをえなかった企業活動も、再開する動きがでてきている。ただ、感染リスクがある以上、これまでのようにはいかない。それは、広告業界もおなじ。
消費者とクライアントの関わり方が変われば、広告会社も対応しなければいけない。なかでも、実店舗を持つクライアントでは顕著だろう。なんせ、人を集めてはいけない(=イベント・セールなどの販促活動ができない)という至上命令がある。

WITH CORONAでの広告表現

結論からいえば、ON CORONAでの表現と大きく変えることはできない。ゆるやかなStay Homeが前提となるからだ。過度に外出を促すことのない、しっとり・やさしい・あたたかい表現が求められるだろう。「再開がうれしい」「楽しみも大切にしよう」「〇〇を絶やさない」「たまにはこんなことも」「でもやっぱり、おうち時間を充実させませんか?」みたいな。実際には、イベント・観光なども再開するだろうし、それによって広告も増えていくだろうけど。急な感染拡大をしないためにも、表現は抑制したものにとどめるべきだろう。

なんて…
企画やコピーを考えながら、ちょこちょこと考えたことを、拙いけれどまとめてみた。あとは、最近の広告をもとに、もうすこし考えてみたい。


オンワード樫山「#StayStylish」

中村アンさんなどの出演者・「試着室」という言葉選び・自撮りという撮影方法が話題になっていたので、知っている方も多いと思う。しかし、反応を見ていて気付いたのは、ブランド広告として見られているということ。間違いではないけれど、ON CORONA施策としてあまり見られていない。

公式サイトから、コピーを書き出してみよう。
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今、私たちは、試着室の中にいる。
スポットライトはない。
けれど、ファッションを愛する私たちがそこにいる。
お気に入りの服を着ると、歌いたくなる。
好きな服を着て目を閉じれば、
好きな人に会える。
いつもより大胆にファッションを楽しめば、
それが流行になる。
今は試着室の中で、新しい自分になる時。
さぁ、世界を一緒に明るくしよう。
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「#StayStylish」「今は試着室の中で、新しい自分になる時。」とあるように、「家でも、新しいおしゃれをしよう!」という内容だ。さらに、日本赤十字に寄付するというキャンペーンを連動させ、自社ECサイトへの誘導も設計されている。つまり、実店舗の再開を意識したWITH CORONA施策ではない。

では、なぜ自社ECサイトに誘導しているのか。百貨店の売上を補うためというのは考えやすいが、きっと2018年末のZOZOTOWNからの撤退も関係しているはず。もともと売上が良好だった自社ECサイトを「今こそ、さらに売り込む機会だ」と考えたのかもしれない。
そう考えると、広告会社から仕掛けたのか、クライアントから仕掛けたのかはわからないが、おもしろい戦略だと思う。


あぁ…
書けば書くほど、自分のしごとが情けなくなってきたかも。
がんばろう。

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