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それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

作家小野美由紀によるエッセイマガジンです。タイトル通り "それでもやはり、意識せざるをえない” 物事について、月に5-10本程度配信します。日々のエッセイ、恋愛、性愛、家族、また…
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2019年5月の記事一覧

”言葉にならない”時間の価値

”言葉にならない”時間の価値

クリエイティブライティング講座で名古屋へ。

講座の中で、私はいつも

「できなくてもいい。創作をするとき、最初の着想を得てから、それが作品として形になるまでの"タイムラグ"は人それぞれだから、すぐに書けなくても気落ちせず、自分のタイムラグを探るつもりでやってほしい」

と生徒さんたちにお伝えしている。

文章を書くとき、テーマを与えられてから、ものの数分で取りかかれる人もいれば、半日、1日、また

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おめでたさの亡霊と「愛がなんだ」

おめでたさの亡霊と「愛がなんだ」

 何がおめでたいのかもよくわからないのに、おめでたいと言う雰囲気だけが亡霊みたいに漂っている令和初日の新宿の街を歩いて角田光代さんの「愛がなんだ」の文庫本を探す。どこの書店も品切れ。発売から10年以上経って映画化して入荷3週間待ちってすごくないですか。

仕方がないので吉祥寺に移動。アーケード入口には「令和」とでかでか書かれた看板が掲げられていて「嘘でしょ」という気分。なんつーか「え、お前、普段サ

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