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採用ミス? - たぶん、違うよ

よく「ミドルマネージメントが定着しない」とか、「マネージメント不足」といった課題を耳にします。

よくよく聞いてみると、「採用すべき人材を見極めるのは難しい」とか「期待値とのギャップか」とか、基本的には候補者に問題があったという結論になることがほとんどです。


本当に、候補者の能力の問題か?


新しい環境で、且つチームとしてのパフォーマンスが求められるレイヤーにとって、新しい環境の変数の多さは大きな課題です。


  • チームパフォーマンスが求められる人材に、プレイヤー(しかもエース)としての期待を押し付けていないか?
    ▶︎ プレイヤーとして、高い期待値を求めるスペシャリストなら問題ない

  • 期待したポジションと、違う形でスタートさせていないか?
    ▶︎ インプット・研修等の域を超えていないか


「50人の壁」「100人の壁」とザクっと語られることが多いスタートアップですが、その正体は多様な価値観を許容できるかだと思っています。


「〇〇人の壁」の正体は、価値観の押し付け


たとえ事業ドメインが同じだったとしても、事業モデルや社内オペレーションは異なります。人間関係もリセットされ、加えて普段と違うロールや働き方を求めてしまえば定着しないことは明らかです。レイターステージになると、人数歩膨れ上がって監視が行き届かなくなるから、相対的に成り立つ確率が高くなっているのだと思います。


マネジメントレイヤーの採用目的と、立ち上げ方


マネジメントレイヤーを立ち上げるということは、数人のパフォーマンスを預けることになります。加えて、メンバーにも影響が及ぶため「立ち上げる責任」が大きな仕事です。定着しなかった場合に、メンバーに与える影響も考えると「立ち上がらなかったね」という簡単な言葉では済まない大きなミッションなのです。


目的は、組織としてスピード感を醸成すること


マネジメントレイヤーの採用目的は、チームの運営難易度を和らげて、組織的なスピード感を上げることです(意思決定だけではなく、数字を伸ばすことや、多数の事業を運営することなど)。そのように整理すると、普段のミドルマネージメント以上の人材を受け入れる体制が正しいか、間違っているかは明らかだと思います。


一方で、立ち上げやすい領域か否かは検討の余地が大きいと思います。

  • 事業のノウハウがキャッチアップしやすい環境か

  • 社内のオペレーションは把握しやすい環境か

  • 顧客とのリレーションは把握しやすい環境か


「事業リターンを伸ばすための手段」と置き換えた場合に、その運営難易度が高くない分野が改善・ブラッシュアップフェーズに入っている分野です。このノウハウが形成されている分野は、組織をスケールさせるための大きなトレーニング場所になると思っています。こういった組織運営難易度の優しい分野から、徐々に組織もグロースさせる練習を始めることをオススメします。

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