[北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]2/9 キャンプ第2クール終了

 春季キャンプ真っ盛りです。第2クールが終了し、初実戦や初対外試合もあって、気分も高まってきました。私も毎日GAORAのキャンプ中継を眺めていますが、今年のキャンプは去年までと全く違いますね。スタメンレギュラーが確実と言える選手が(特に野手は)近藤ぐらいしかいないことに加え、新監督の就任でチーム内の雰囲気が変わり、さらにその新監督が完全に横一線の競争を公言していることで、若い選手も中堅もベテランも意識が変わり、目の色を変えて練習に励んでいるのが、テレビ画面越しでもよくわかる。だから非常に明るく活気がある。去年までは口では競争と言っても、ほとんどのポジションは最初から使われる選手が決まっていて、ケガやアクシデントがない限り安泰だった。当然チーム内の雰囲気は緩くなる。チームが5年間で4度のBクラスと結果も出ないのも当然で、10年間も同じ監督が続き、エコヒイキ起用が常態化して新陳代謝がなくなりチーム全体が動脈硬化を起こしていた。それが大きく変わりつつある。それまで全くチームと関わりのなかった新監督の就任の効果は絶大です。

 それだけに、コロナ罹患で出遅れる形になった淺間・清宮・渡邊・石川亮といった選手の危機感は相当に強いと思います。特に淺間はせっかく去年センターのレギュラーを掴みかけたのに、今年は始まる前からまるで五十幡がスタメンレギュラーになって当然といった雰囲気になっていて、指揮官もそんな振る舞いをしているだけに、焦りもあるでしょう。まだプロ2年目、ケガがちでまだ1年通して働いたことのない五十幡に過剰な期待は禁物ですし、淺間が持てるポテンシャルを十分に発揮できれば、まだまだ淺間にアドバンテージがあると思われるので、競争はこれからさらに激化していくはず。去年1年ですっかり信用を失った渡邊や、今や選手生命の危機とも言える状況に追い込まれた清宮も同様です。尻に火がついた彼らの奮起を期待したいし、それがチームを活性化させるはず。

 さらに新監督の意識が明らかに守備・走塁に向いているので、守備練習や走塁練習に割く時間や密度がこれまでとは比較にならないぐらい高まっているのが見てとれます。前監督の守備走塁軽視が10年も続き走攻守すべてが大雑把になってそれまでのチームの良さが全く消えてしまっていただけに、この転換には大きな意味がある。守備ミスで負けたのに反省もなく打撃練習ばかりしているようなチーム体質は大きく変わりつつあるように思えます。阪神との練習試合では、五十幡や万波が内野を守ったり細川や野村が外野を守ったり、といった守備位置シャッフルが話題を呼びました。前監督時も野手に複数ポジションを守らせようとしていましたが、それは打撃優先スタメンを組むための目先の方策にすぎない(それでいて打撃面でも全く結果が出ていなかったのでどうしようもない)。ですが新監督は守備意識を高め捕球・送球・カラダの運びなどプレイ全体に反映させるためなので、まるで意味が違う。

 最大の課題となっているチーム全体の打撃面に関してはこれからですが、夜間個人練習も含めチーム全体の練習量は相当に増えているという話なので、期待したいですね。

 コロナ罹患者は別として、これまで大きなケガ人・離脱者は新人の上川畑ぐらいでしょうか。本人は悔しいでしょうが、焦らず完治を目指してほしい。二遊間は水野・細川の新人・若手組と、石井・中島・渡邊という既存戦力の争いになっています(五十幡はさすがに外野で使うと思いますが……)。私としては水野や細川に一気のレギュラー奪取を期待したいですが、既存選手が負けじと奮起して競争が激化すれば、チームは底上げされます。センターとDH以外全ポジションが穴と言っていいぐらい不安定で不安なチーム状態ですが、それだけに今後も伸びしろも大きいはず。

 新庄の監督としての真価が問われるのはこれからですが、今のところチームが良い方向に向かっているのは間違いなさそう。新庄のいいところは、練習メニューや選手起用など、やることの理由や根拠、理論的裏付けなどをきちんと明確に説明してくれること。なので結果はどうあれ納得できるし期待も高まる。前監督が「しっかりやります」などと言うだけで、チーム戦略上の秘密なのかどうなのか不明ですが、実際に何を考えているのか、「しっかりやる」とは具体的に何をやろうとしているのか全く不明だったことを考えれば、チームの風通しは断然良くなっている。この一点だけでも監督が代わった意義は大きい。今後もさらに期待です。


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