[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022] 7/18 7連勝のあとは2連敗

 連勝している間は何もかもがうまく行っていた感がありましたが、連勝はいつか止まる。肝心なのはその後連敗しないこと。連勝の勢いが止まってもちゃんとやるべきことをやって引きずらないことだと思いますが、今日の試合は相手の倍の数のヒットを打ち先取点もとりながら拙攻の連続で追加点ををとれず、拙守で投手の足を引っ張り、その投手は四球の連続で自滅し、おまけに小刻み継投が裏目に出ての完敗と、およそ考え得る最悪の負け方でした。なんか去年までのハムの試合を見ているような情けないゲームで、見ている側としてはストレスだけが溜まるような展開。1日クールダウンを挟んで気持ちの切り替えをしたいところですが、休む間もなく大阪遠征で連戦が続きます。チーム状態が明らかに下降線を辿り、加藤や上沢を欠く中で週末まで9連戦を戦わねばならない。きついですね。

 先発の池田は暴投とエラー絡みで2点を失いましたが、彼のこれまでの実績を考えれば5回失点2自責点1なら想定の範囲内。なので問題は2回に先制点をとったあと拙攻を繰り返して追加点をとれなかった打線にあります。

 特に5回の二死満塁の場面で清宮がフルカウントからの甘いストレートを打ち損じてポップフライに終わったのは痛かった。清宮は甘い球の打ち損じが多すぎますね。與座のアンダーハンドから投じられる浮き上がってくるストレートに対して、アッパースイングで下からかち上げる清宮のバット軌道では、高めの球はなかなか打てない。なので西武バッテリーは高めばかりで攻めていたわけで、清宮のチャンスボールはベルトから下の低めの球しかない。満塁フルカウントでストライクしか投げられない状況で来た球は、まさに低めの甘いストレート。しかしこれを打ち損じてしまうわけですから清宮の技術精度が低いとしか言いようがない。西武バッテリーは野村に対しても対策が徹底している印象で、さすが防御率リーグダントツ1位だけのことはあります。清宮は5回だけでなく得点圏のチャンスでことごとく凡退し流れをぶった切ったわけですが、彼の場合欠点が明確にあり、そこを集中的に攻められればこの結果も必然です。このままではランナーがいないなど相手の警戒度が緩い時にしか打てないでしょう。それをどう克服するか。彼の大きな課題です。

 最近新庄監督は「チャンスで打てないヘボ打線だからエンドランとかダブルスチールとかやらざるをえないんだ」という意味のことを言ってました。つまり監督は勝ちたいわけです。これまで「育成第一。勝ち負けにはこだわらない」と言い続けてきましたが、それは負けた時の言い訳を用意しているに過ぎない。チャンスで打てないのは選手の力不足ですが、ヒットは出ているわけですから、それをなんとかするのが監督の仕事。監督が大好きな派手な奇策はもはや相手に十分警戒されていて、滅多なことでは成功しないんですから(今日も細かいミスや失敗が一杯ありました)、もっと地に足の着いた采配が求められるし、選手が勝負弱さを克服するためには練習を重ねて技術を身につけ、実戦で経験を積むしかない。遠回りのようでも監督も含め全員個々の地力をあげていくしかないわけです。

 そして絶好のチャンスを逃した直後の6回表。池田のあとを受けた吉田、福田が四球を連発する弱腰投球で3点とられて勝負アリです。福田はこの前も四球連発で自滅してましたね。あの時は豪雨の中の登板という「言い訳」がありましたが今回は情状酌量の余地なし。もう競った場面では使いにくい。一死もとれず降板した吉田は先発失格で中継ぎ降格(と本人は思っているでしょう)になったことをずっと引きずっているように見えます。そんな中途半端な精神状態では使えない。

 今日の収穫は昨日に続いて好リリーフを見せた北浦と、1軍復帰した井口です。特に井口は4月初旬のファーム落ちが不可解で、その後も一向に1軍に呼ばれないのが不思議でしたが、その鬱憤を晴らすような好投でした。今後大いに期待したいですが、くれぐれも起用法を間違えないで欲しい。その意味で6回一死満塁で北山をマウンドに送ったのは疑問。この回既に2点が入り1-4とリードを広げられての場面。ここ最近投手継投は全て監督がやっているらしいですが、北山はこんな場面で使うような投手ではないでしょう。それこそ井口でも古川でも良かった場面に、ずっとクローザーやセットアッパーを務めてきた投手を使う。あまりに起用法が雑だし北山への配慮もない。さらに言えば、新庄が継投をやるようになってからの小刻みなスイッチも疑問。加藤や上沢が離脱して今後ますますブルペンに負担がかかるのはわかりきっているのに、しかもこれから9連戦が待っているのに、まるで日本シリーズ最終戦のようなマシンガン継投には、なんとしても負けたくないという監督の心情、あえていえば焦りが透けて見えます。これがシーズン後半に向かってどう出るか。

 コロナ禍がハムにも訪れて、骨折の上沢以外にも加藤、玉井、石川直と離脱者が出始めた今が、チームの底力と監督の采配や用兵が問われるところ。本来ならオープン戦までに済ませておくべき選手の力量の見極めをダラダラとこの時期まで続けてきた(それが許されてきた)新庄監督には、その分今後の戦いでの「結果」が求められます。もはや奇策は通用しない。この3連戦の観客動員は3日間とも2万人を超え、一時のどん底状態から脱したかに見えますが、それは7連勝という滅多にないチームの「確変」がもたらしたもので、新庄野球がしっかり支持されてのものではない。今後負けが込んできた時に、どれだけ見る者を納得させるような、明日に希望が持てるような戦い方ができるか。大事なのはそこだと思います。とりあえず王とヌニエスはもういいかな……

試合後、新庄監督は球団広報を通じ「ベンチの雰囲気は、まだ連勝中! 明日! 明日!」と、前向きなコメントを残すに留めた。 

 今日の負けは負けるべくして負けた「必然の負け」でしたが、監督はそう思ってないようですね。



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