[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022]3/26 清宮、目覚めの一発か

 最終回の攻撃はちょっとワクワクしましたが、最終的にはホークスに力負けの2連敗。せっかく清宮の特大の一発で試合の流れが変わりかけ、最後は一打逆転の場面まで追い詰めたのに佐藤の代打・宇佐見の三振でゲームセット。全部見逃しでストライク3つをとられての三振ですから酷すぎる。見逃したのは全部変化球なのでストレート待ちだったのかも知れませんが、代打に出てきて一回しか振らないで見逃し三振は弁護の余地なし。今年の宇佐見はバッティング好調で、やってくれそうな気配がありましたが、こういう消極的な打席はたぶん新庄監督のもっとも嫌うところ。私が監督なら即座にファームに落とし、バッティング・センスがあり足も速い田宮を一軍に呼びます。佐藤にそのまま打たせたら同じアウトでもこんな無様な打席にはならなかったはずで、代打宇佐見は監督の直感なんでしょうけど、明日の試合にも影響を及ぼしそうな最悪の結果でした。BSの解説の森繁和は、最終回に一打逆転の形まで持ってこれたのは必ず明日に繋がると言ってましたが、見逃し三振はそんないい流れも断ち切ってしまう負の効果がありますね。

 試合全体を振り返ってみれば、5回に河野がとられた5点が致命傷でした。1イニング目は無難に乗り切ったのに、2イニング目は先頭の今宮に2ベースを打たれて途端に挙動不審になり、1,2番に四球を与えて満塁のピンチで柳田を迎えるという最悪の展開。柳田、続くグラシアルにいずれも初球ど真ん中の甘い球を痛打され、おまけに清宮のタイムリーエラーまで絡んであっという間の5失点。四球のあとの初球を狙えとは野球のセオリーですが、そのセオリーに忠実にきっちり仕留めたホークスの2人と、四球のあとの甘い球を漫然と見逃した宇佐見の違いは、当然ではありますが歴然としてますね。河野は1,2番を歩かせて塁を埋め3,4番に還されるという最悪の投球。特に後ろに最強の敵・柳田が控えているのがわかっているのに、プロ入り後ヒットのない打者・佐藤を警戒しすぎて歩かせみすみす満塁のピンチを招いてしまうとはあまりにもったいない。佐藤と河野は社会人時代に対戦経験があり、その時の記憶もあって意識しすぎたんじゃないか、というようなことを森繁和は言ってましたが、いずれにしろ河野は猛反省ですね。

 投手は河野以外はまずまず。特に望月と、プロ初登板の新人長谷川の気持ちの入ったピッチングは良かった。古川も一発は打たれたものの、使えそうな感じ。

 打つほうでは、なんと言っても清宮です。4回の第二打席、東浜のインコースのストレートを打って、ライトポール際へ特大のファウル。ものすごい飛距離のものすごい打球で、テレビ越しでもスタジアムの雰囲気が変わったことがわかりました。とはいえここまでなら「三振前の馬鹿当たり」という感じでしたが、その後慎重になった相手投手の低め変化球を冷静に見極めて四球をもぎ取ったのが良かった。そして9回の第4打席、今度は真ん中外寄りのストレートを打って、ライトスタンド中段に飛び込む特大の一発です。これもまた打った瞬間にわかる、相手外野手が一歩も動けない凄まじい当たりでした。4回のファウルのあとにきっちり仕留めたことに意味があります。ファウルもホームランも、軽く振っただけのように見えるのにあの飛距離。10キロ減量しても、むやみに強振しなくてもあれだけ飛ぶ。甘い球を逃さず振り抜いて一発で仕留めた。大きな自信になったのは間違いない。思えばオープン戦最終戦の最終打席、インコースの難しいタマをうまくさばいて2べースを打ったことで何かを掴んだのかもしれません。それまでの清宮は打てないあまり自信喪失しているように見えたので、あの打席できっかけを掴み、HRという求めていた結果が出たことで完全に迷いがなくなったんじゃないでしょうか。あの凄まじい弾道を見ていると、ロマンしかない。エラーもありましたが、そんなことはどうでもいい、と思わせる。今後の清宮に大期待です。

(追記)

 清宮は「打った瞬間行ったと思いました。球がよく見えてますし、ギータさんにも『状態が良さそうだから自信持っていけ』って言われたので、自信持って打席に入りました」と5回の守備中に一塁ベース上で交わした師匠との会話を明かした。

 そして新外人アルカンタラがいきなりHR2本の大爆発です。ストレート、変化球、いずれも低めの球をとらえて左右に打ち分けるという見事な打撃で、9回にも移籍してきた又吉の、やはり低め変化球をとらえてのヒットを打って猛打賞。HRを期待できるのはヌニエスのほうで、アルカンタラはアベレージ・ヒッター・タイプかと思っていたので嬉しい誤算です。どうやらローボール・ヒッターのようですが、高め速球で攻められた時にどうなのか、打ったのがいずれも左打席だったので、右打席で左投手と対した時にどうなのか。たぶんペイペイドームに集結した各球団のスコアラーが早速アルカンタラ対策を練り始めているはず。そこからが彼の勝負ですね。

 一方ヌニエスもようやくヒットが1本出て、本人もホッとしたでしょう。千賀、東浜とタイプの違う好投手と対戦したことで戸惑った面もあるはず。今後に期待しましょう。

 ほかにも淺間に初ヒットが出ました。オープン戦終盤に何かを掴んだようにも見えたので、比較的早い段階で結果が出たのは良かった。あした出番があるかわかりませんが(新庄監督なので)、今後に期待しましょう。

 ほかは近藤がヒットを打ったぐらいで、王も水野も万波も今川もヒットなし。昨日から得点がすべてHR、それもソロHRばかりで打線に繋がりを欠いているのが気になるところ。あしたの打順に注目です。

 開幕2連敗。普通ならどよーんと落ち込むところですが、清宮の一発のおかげで、なんとなく先行きの希望が見えてきたような。間もなく復帰するはずの野村と共に、大覚醒・大爆発を期待しましょう。

 明日の予告先発はなんと吉田輝星。もしかしたらこの3連戦の投手起用はすべて細かいイニングを繋いでいくマシンガン継投にするつもりかもしれません。早い段階で投手も野手も全員試合に出して雰囲気に慣れさせるということでしょう。とはいえ吉田に関してはショートスターターではなく、できるだけ長いイニングを投げさせてほしい。せっかくの久々の一軍の先発マウンド、1〜2イニングで降ろしてはチームにとっても、本人にとっても得るものがなさすぎる。もし球団が彼を先発として大きく育てるつもりなら、ぜひ長いイニングの投球を、とお願いしておきます。

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