優秀な大根
大根役者という言葉がある。
まぁ、語源の説は色々あるけれど。
ネガティブな意味なのは間違いがない。
それにしても思うのだよ。
大根って野菜の王者だけどなって。
そんなことない?
こんな野菜ほかにないと思うのだ。
おでんだとかブリ大根のように煮物は最高。
意外に炒め物でも、豚大根みたいなのがある。
それどころか、大根ステーキもあれば、大根餅まである。
そうかと思えば生でも、大根サラダや、刺身のツマになったりする。
そもそも切り方でうまさが変わる。
輪切りだけじゃなくて、銀杏切りなんかもあるし短冊切りもある。
短冊切りの味噌汁なんて最高じゃないか。
更に加工も出来る。いわゆる干し大根。
たくあん、べったら、味噌漬け、たまり漬けの漬物はもちろん。
切り干し大根なんて炒め物で主役にもなる。
そのうえ、なんと薬味にもなる。
大根おろしは薬味の中でも王者だ。
ここまで多彩な野菜ってだけでもう他の追随は許さないわけだけれども、更にオプションがあることも忘れてはいけない。
芽はカイワレ大根として美味しいし、茎や葉っぱは葉物としてとても美味しかったりする。
そんな野菜ってあるだろうか。僕の記憶では思い当たらない。
理由も優秀なんだよ。
色々な味があるからだってことでしょ?
甘みもある。苦みもある。辛味もある。
味を強く出すことも出来るし、あっさりと控えることも出来る。
大根のおろし汁は出汁にだってなる。
ここまでたくさんの味を楽しめる野菜なんてあるのかな。
ちょっと優秀過ぎやしないか?
いくらなんでも優秀過ぎる。
それを使って、大根役者!ってのはどうもしっくりこないんだけどな。
あれって、もしかしたら江戸っ子が褒めたいけど恥ずかしがって、大根!って言ったのがそもそもの始まりなんじゃねぇの?ぐらいに思ってる。
まぁ、語源の説を読むとどこか納得できるんだけどさ。
でもなー。
むしろ、大根のポテンシャルを知れば知るほど、大根みたいな役者になりたいなーなんて思っちゃうんだけれども。
まあ、そういうことだよなぁって思う。
誰かは大根をネガティブにみる。
僕は大根をポジティブに感じる。
見る場所、角度、立場、ぜんぜん見え方が変わっちゃう。
どれも嘘はないけれど矛盾していく。
絶対的な基準がない限りは平行線で進んでいく。
でもさ。
うまいもんはうまいんだって思うのだよ。
大根をネガティブにとらえた誰かは、大根に対してみる目がなかったんだよって思うな。
わかってねぇなぁってやつ。
わかってねぇやつの言葉も意外に残るっていうのが面白いんだけれども。
何を言いたいかっていうと、それは内緒。
映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃
「嘘ばかりの世界」だ
「ほんとう」はどこにある
【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
http://www.eurospace.co.jp/
劇場窓口にて特別鑑賞券発売中
先着50名様サイン入りポストカード付
出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一
撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき
【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。
家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。
やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。
◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)
投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。