連載「record album」⑤

　おじいちゃんの食事を毎日作っていたけれど出前を頼んだ日があった。毎日のように食事を創りながらメニューに悩んでいたからそんな提案には直ぐに飛び乗った。幸い預かっていた財布も自分なりに節約を重ねた結果まだまだ余裕があったからこれならと思った。

　おじいちゃんちのそばの中華料理屋さんなのだろうか？メニューを見る限りそういうお店だった。少なくてもそばやうどんがなかったから。けれど定食などのメニューもあって一言で中華料理ともいいづらいようなそんなお店だった。おじいちゃんは支那そばが食べたいと言った。インスタントラーメンはラーメンと口にするのに、なぜかそのお店で注文するときは支那そばだった。メニューを見るとラーメンと書いてあるのに。どんな違いがあるのかは自分の中ではわからなかったけれど、おじいちゃんの中では中国と支那は別のものだった。