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むず痒い秋

気付けばなんとなく肌寒かったりする。
まぁ、室内や日なたにいる分にはまだまだ暖かいのだけれど。

川沿いを歩いてみたら黄色いブタクサの花が満開だった。
僕はブタクサで鼻がむず痒くなるけれどまだなっていない。
花粉はまだ飛んでいないのだろうか。
川を覗くと鴨がすいすいと泳いでいる。
僕は鴨をみるのが好きで、いつも見てしまう。
なんだったら声をかけてしまうこともある。
運ばれてくる金木犀の香り。

完全にこれは秋だなぁ。
小さくない秋を見つけている。

芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、天高く馬肥える秋。
見渡せば色々なことが盛り上がっている。
冬を迎える前に今年のイベントの集大成が軒並み続く。
コロナなんかもうどこにもないかのような雰囲気になっている。
あの頃は想像も出来なかった秋が返ってきた。
現金なものだよ。不要不急と最初に切り捨てられたものが秋を盛り上げている。

春と同じで少し頭に靄がかかって、体も少し重い。
体内の循環が少しずつ冬の準備を始めているのだろう。
猫だったら冬気に変わっていく時期だもんな。
汗腺が閉じて、エネルギー効率も変わっていく。
僕の意識していないところで勝手に生命活動が続く。
紅葉のように見た目が変わるわけではないけれど。

11月は良い時期だ。
熱いラーメンが美味い時期だ。
もうすぐ渋谷で映画「演者」の上映が始まる。
木の葉が色付く本格的な秋の頃。
一年のラストスパート目前の時期。

今、不思議な気分だ。とっても。
あれほど待っていた秋の入口で。
観たいという声がいくつか届いていて。
でもきっとまだまだ何かが足りなくて。
大きな声で叫びだしたいような。
きっと僕は僕が意識している僕とはまったく別の生き物だ。
僕をコントロールしている大半は無意識のそれで。
生命活動をしているこの肉体の一部に僕の意識は留まっている。
細胞レベルになればもうまったく意識下におくことはできない。
僕全体が何かざわざわしていることだけがわかる。

きっと秋がやってくるからだ。
みんなはどうなのかな。


映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃

「嘘ばかりの世界」だ
  「ほんとう」はどこにある

【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
http://www.eurospace.co.jp/
劇場窓口にて特別鑑賞券発売中
先着50名様サイン入りポストカード付

出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。