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メガネ業界の"ユニクロ"!後発でもJINSが業界1位を取れたわけ

今回は、メガネ業界のJINSの成長要因を探りながら、これから更に伸ばしていくための施策案(CMO仮説)を考えていきます。

JINSの簡単なおさらい

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まず、JINSのかんたんな説明をしていきましょう。

JINSは、現在メガネ業界でシェア約40%を取得しており業界1位のポジションにある企業です。かんたんな企業概要は以下になります。

・会社名:JINSホールディングス
・代表:田中 仁
・設立:1988年
・売上:618億円(2019-2020)
・企業理念:Magnify Life
(いつもの世界が違って見える。JINSは、そんなきっかけを人々に提供したいと願う。人々の生き方そのものを豊かに広げ、これまでにない体験へと導きたい。だからこそ、私たちのメガネはメガネのその先を考え抜き、「あたらしい、あたりまえ」を創り、まだ見ぬ世界を拓いていく。)
・従業員数:3,707名

特に、企業理念は成長要因とこれからの成長を読み解く上でも重要そうですね。

そんなJINSが後発にも関わらず、もともと成熟業界と言われていたメガネ業界で業界1位の企業になれたポイントは2つです。

①業界で初めてSPAモデルを採用し、売値を下げながら原価を下げた
②メガネ業界に視力矯正以外の”機能性”という価値を発明した

詳しく解説していきましょう。

成功要因①業界で初めてSPAモデルを採用し、売値をさげながら原価を下げた

JINSのメガネは、5,000円・8,000円・12,000円(税込み・レンズ代込み)と他のメガネ業界のメガネよりも非常に安価な価格でメガネを提供しています。その背景にあるのが、SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)モデルの導入です。

SPAとは、企画・生産・流通・販売までを中間業者を交えることなく、自社で一貫して行うビジネスモデルです。ファッション業界ではZARAやユニクロなどが先行して取り入れています。

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これにより、

・中間マージンやブランド料金といった無駄なコストを大幅カット
顧客の声を反映させたメガネ作りがスピーディーにできる
高品質なメガネを安価で提供することが可能に
・流通量が多くなればなるほど、スケールメリットが働き原価率を抑えられる

などのメリットがあります。このモデルは代表の田中さんいわく、ユニクロのSPAモデルを参考にしていて、実際に柳井社長に話を聞きにいって、SPAモデルについて学んだそうです。

成功要因②メガネ業界に視力矯正以外の”機能性”という価値を発明した

SPAモデルにより、JINSは自社で企画したメガネを作れるようになりました。そこで、JINSが打ち出したのが、メガネ業界に視力矯正以外の価値を持ち込むということです。

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具体的には、

・ブルーライトカットをするJINS SCREEN(旧 PCメガネ)
・目によい光だけをとりいれるバイオレットプラス
・紫外線をカットするUVダブルカットレンズ

などなど様々な新しい機能性を開発しました。また、最近では、目が悪い人以外でも日常的に使うためのレンズの開発を進めています。

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この新しい価値により、成熟市場と言われたメガネ市場で、顧客数を伸ばし、メガネ業界そのものを広げつつ業界1位にまでなることができました。

最近のJINSは”集中力市場”という新しい市場の開拓をしている

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最近のJINSは、これまでのメガネとはまったく異なるメガネの開発を進めています。それが集中力を可視化できる「JINS MEME」です。

JINS MEMEは、メガネ型ウェラブルデバイスであり、自分の外の世界をしる道具としてのメガネから自分の内側を知るメガネへと発想を転換させています。

JINS MEMEにより、リアルタイムに集中力の数値化ができ、効率的に集中力の改善が可能になります。

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ただ、絶賛研究開発中のようで、まだまだ一般的には普及しておりませんが、集中力市場という新しい市場の開拓に向けて準備を進めています。

JINSを更に伸ばすためのCMO仮説:集中力メガネの一家に一台体重計化

JINSを更に伸ばすために、僕自身が考えた案は、「メガネの体重計化」をコンセプトにJINS MEMEを一家に一台普及させていくアイデアです。

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市場に広めていく上で、まず集中力を測る経験をする必要があると考えます。そのためには、

・日常から測れるために、学校の保健室に無料配布し、企業の検診などにも組み込む。(企業は、社員の集中力を可視化でき、生産性UPに繋げられる)
・ヨガや瞑想などのジムなどとタッグを組み、ユーザーのアクティビティ後の集中力の変化を実感してもらう。
・また、検診に組み込むなど日常に拡散していくためには、研究機関と連携して、集中力の重要性をデータとして提示していく。
・最終的にSPAモデルにより売価を下げることで、家庭に一台ある状態を目指す。

などを考えました。

まとめ

ここまでやったことをまとめると、

①業界の利益構造を疑い、利益構造そのものを塗り替えるような手がないかを他の業界から探してみる
②競合と同じ土俵で戦うのではなく、別の土俵を自分たちから持ち込み続ける

という2点に関して、JINSから学べるものがありそうです。

非常に面白い企業なので、これからも継続的的にWatchしていきたいです。


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