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高速サンバでのバチーダ考

ブラジル音楽のギターのサンバ系バチーダは
タンボリンやアゴゴ由来のものが多いと思う

そしてエンヘード用の(サンバ・カーニバル用の)
高速なサンバでは、
その由来元であるタンボリンも
先が割れたプラスチック製のパケッタを使い
いわゆる「回し打ち」を行う事が多い

余談だが
タンボリンは高いピッチが出るものが良いとされ
ネジが多い個体の方が高価だったりする
プラヘッドがなかった昔では
タンボリンの革ヘッドを
焚き火?の熱で炙ってピッチを高くしていた様だ

3人の著名な打楽器奏者
ルナ、マルサウ、エリセウの”Três Tamborims”(3つのタンボリン)も
もともとは木製のスティックで演奏されたのかも知れないが
「回し打ち」のパートがある
動画だと1番左側の奏法だ
こんな感じ

パンデイロのように
左手を回転させながら打つので
すぐ握力がなくなるんだよね…この叩き方は

***
で、自分が思うにこの叩き方を
ギターの右手に援用すると
例えばエリス・レジーナの"Amor Ate O Fim”
(作詞作曲はジルベルト・ジル)
のエリオ・デルミオのギターのリズムになるのではないかと思う

(ショーロのバチーダにも通じるけれど
ショーロの場合あまりスタッカートしない)


***
シコ・ブアルキのエンヘード”Vai Passar”は
ピアノやカヴァキーニョが勢いよく鳴っているので
もしギターを録音するとしたら
控えめに3声(低音弦主体)くらいにして
上記の「回し打ち」的なバチーダを使うと
周りの楽器を邪魔せずに調和すると思う


もちろんギターが目だって良いのであれば
こういう高速サンバには
ジョアン・ボスコ以降のアゴゴ的アプローチも使えると思う
例えばトニーニョ・オルタがよく演奏するような
こんな感じ

アゴゴは音程がある打楽器ですから
ギターの高音弦をアクセントとして
模した弾き方ですね

***
色んなジャンルの方にレッスンしているが
自分の本道はブラジル音楽であり
それ自体クラシックやジャズの要素がふんだんにあり
ロック的なソロやファンキーなカッティングなども時に求められるので
レッスンでは今まで培ってきたものが活かされていると思う

ピックを使ったイングヴェイみたいな速弾きも
自分には簡単に出来てしまうけれど
一生を捧げるのは
ブラジル音楽のあるいはショーロの7弦ギター独奏である

田舎の豊橋はブラジル人も多いし(笑)

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