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熱冷ましに最適な氷、でもバッテリーを冷やすのはNG【12月12日はバッテリーの日】


12月12日はバッテリーの日

毎年12月12日は「バッテリーの日」です。
電池工業会という団体により、1985年に「カーバッテリーの日」として制定された後、1991年に「バッテリーの日」と改められました。

しかし、実はこの由来は電池を意味するバッテリーではありません。
野球のピッチャーとキャッチャーの組もバッテリーと呼びますが、そのポジション番号が「1」と「2」であることから、12月12日が「バッテリーの日」とされました。

ところで、かつてのフューチャーフォン(俗にいうガラケー)を使っていた頃よりも、現代人はバッテリーを意識することが明らかに増えたのではないでしょうか?

折角の休日、出かける予定だったのにスマホが充電切れなんてうっかりもありますが、そういう日くらいスマホを家に置いてバッテリーを意識しない一日を過ごすのも良いかもしれませんね。

熱冷ましに最適な氷、でもバッテリーには絶対NG!

バッテリーの特徴であり天敵でもある発熱、つい長時間使っていたスマホやPCが火傷しそうなほど発熱していたという経験は皆様もあるのではないでしょうか?

直ぐに冷やしたくなる気持ちも分かりますが、氷を使ってバッテリーを冷やすのはNG。

氷を入れた氷嚢でバッテリーを冷やしてしまうと、たしかに効果的に冷やすことはできるのですが、バッテリーを搭載している端末内で結露が生じてしまうことがあるからです。
これは氷嚢の表面をタオル等で覆って水滴がつかないようにしても同じです。(多少はリスクを抑えられますが…)

ここで注意が必要なのは防水の端末でも氷で冷やすのはNGということです。一見、防水性能のある端末なら表面に結露が生じても大丈夫なような気もしますが、結露は防水性の端末内部にも生じるということです。

ほとんどの場合、防水性の端末のうち水に強いのは外装だけであるため、内部に生じてしまった結露によりサビ及びショート等の故障が生じる可能性があります。

また、何よりも恐ろしいポイントは防水、非防水の端末問わず、端末内に水濡れに反応して変色するシールがされていることがあり、このシールが反応した状態で故障すると、保証サポートから外れたり、修理代が高額になったり、そもそも修理自体を拒否されるケースもあります。

故障に至らないような少しの結露でもこのようなことが起こることがあるので、端末の結露にはくれぐれも気を付けましょう。

バッテリーを冷やすには、熱伝導率のよい金属に当てたり、風を当てるなどして、熱を冷ますというより、熱を逃がすといった感じで対処するのが最適でしょう。

氷は潜熱を持ち、融けるまでは0℃を保ち続け効果的に熱を吸収する最高の冷却材で、純度が高く融けても形が崩れにくい純氷は持続的に0℃を保つ力がとりわけ強いですが、やはり氷はバッテリーなどではなく、美味しいお酒やジュース、冷麺などに使うのがベストでしょう。

氷のバッテリー?注目の「雪氷熱エネルギー」

さて、理科の時間でレモンを電池にする実験をしたという経験のある方は多いのではないでしょうか?
筆者としても、フルーツが微弱でもバッテリーのような機能を持つというのは、なかなか驚きで記憶によく残っています。

このように実はエネルギーを起こせるもの、というのは以外と身近に存在していますが、氷を使ってエネルギーを起こし、溜めておく、いわば「氷のバッテリー」のようなものはないのでしょうか?

それが今注目されているクリーンエネルギー「雪氷熱エネルギー」です。

これは冬季の降雪を貯蔵庫で保存し、その冷気を冷房として利用する再生可能エネルギーです。

エネルギーに用いる雪は自然降雪したものを使い、氷も気温の自然低下によって作られるものを利用します。
よって、雪氷熱エネルギーは降雪が多く低温に達する日の多い寒冷地でないと利用できない、制約のある方法ではあります。

しかし降雪地域では、生活のために家や道路などのインフラから雪氷を排除する目的で、定期的に除雪作業が行われているので、
ただ除雪された雪は路傍に放置され自然に融けていくところを、エネルギーとして活用できるということなので、大変効率的といえます。

洞爺湖サミットの会場となったザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ。
この施設では雪氷熱エネルギー利用に取り組んでおり、世界的に注目を浴びた。
Wikipediaより:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:130922_Windsor_Hotel_Toya_Resort_%26_Spa_Toyako_Hokkaido_Japan01s3.jpg  作者: 663highland様 ライセンス:CC 表示-継承 2.5

利用方法としては、冬季のうちに適切な温度管理がなされた氷室や雪室、アイスシェルターなどに雪氷を貯蔵し、夏季などに雪氷から冷気を取り入れる形でエネルギーを使います。
さらに、この熱交換によって生まれる対流で、ファンなども回すことができるようです。

熱循環などの設備を除けば、このような雪氷の利用方法は非常に昔から用いられる自然エネルギーと言えます(こちらの記事もご参考下さい)。

まさに氷こそ最古のバッテリーと言っても過言ではないのではないしょうか?

出典、参考
:川本 周朗.産業・業務用における雪氷熱の利用について.生産と電気.日本電気協会.2009/1
雪氷熱利用・札幌市


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