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煙と草の歴史と文化

今晩は。昨日までは統計という, とてもお堅い分野について触れてきたので, 今日は少し息抜きという意味も込めて, タバコについて学んでいきたいと思います。

何故タバコなのかというと, 私の周りに喫煙者が沢山いるからです笑。

私自身は禁煙者でこれからも吸う事はないのですが, それでも周りの人達が吸っているのを見ると, 「なんか哀愁漂っている」んですよね。

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タバコという, 身体に毒は周知の事実である嗜好品に何故人々は心奪われるのか

今回は非喫煙者による, タバコの歴史を学ぶ日です。

1. What is Tobacco?

タバコは漢字で煙草, 英語でもTobacco (これトバッコゥって読むんでしょうか?)で, 世界共通認識のタバコ。前から気になっていたのは, CigaretteとTobaccoの何が違うのか

Tobacco
"A preparation of the nicotine-rich leaves of an American plant, which are cured by a process of drying and fermentation for smoking or chewing."

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Cigarette
"a thin cylinder of finely cut tobacco rolled in paper for smoking."

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あっ, Tobaccoはタバコの葉の事で, Cigaretteは紙巻状態のことを指していることが分かりました。

では, タバコはどのように発展して今の世代に受け継がれてきたのでしょうか。


2. History of Tobacco

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(John Richard Coke Smyth, 1842.)

歴史を遡ると, 最初は7世紀の古代マヤ文明が先駆けと言われていますが, 有名になったのは, Native Americansが宗教儀式や医療的理由でタバコの葉を利用していた時からだと言われています。彼らにとって, タバコは治療法であり, 創傷包帯であり, 痛み止めであり, そして虫歯予防でもあったそうです。

その後, かの有名なクリストファー・コロンブスが贈り物としてタバコを授かると, たちまちヨーロッパ中でタバコは人気を集めました。その後, タバコが紙巻として流通することになったのです。

しかし, 医療目的で利用されていたタバコが実は身体に害をもたらすといった研究結果が17世紀初頭に発現し, たちまちタバコは有害な嗜好品として認知されるようになります。

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(Lorillard Tobacco Company from Wikipedia)

その後, 1760年にPierre Lorillardによって Lorillard Tobacco Companyが設立され, 世界最古のたばこ会社としてアメリカに誕生しました。その後, 1900年代に突入すると, タバコの生産量が年々増加し, 会社も続々と設立・展開されるようになりました。同時に, 健康被害への研究も進められ, 1964年にはSergeon General's Reportが出されると, 政府によるタバコ規制が進められました。

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(Tobacco Market 2020-2024, from Business Wire)

現代のタバコは更に改良が重ねられ, 昔よりもより一層身体に害のある嗜好品へと発展を続けているようです。また, 生産量も1901年の3.5億本から約1714倍の約6兆本へと増加していることから, その人気は未だ衰えてはいません。今後も多くの人達に愛される嗜好品は, 成長を続けるのでしょう。

3. Tobacco & Health

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ここまで有害な嗜好品として認知されているタバコですが, 実際にどのような成分が含まれているのでしょうか? 

タバコに含まれている化学物質は約5300種類と言われ, ガス成分は1000種類, 粒子成分は4300種類と言われています。主流煙の約9割がガス成分であり, 4%程が粒子成分, そして有名なニコチンは僅か0.28%程だそうです。

この化学物質の中でも, 約70種類ほどに発がん性要因があるそうです。

ここで, タバコの三大有害成分と言われている, ニコチン, タール, 一酸化炭素について詳しく見ていくことにしましょう。 

4.  Three Major Harmful Ingredients

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1. ニコチン

ニコチンは, 昆虫などから食べられることを抑制する為に, タバコ植物が作り出す毒物であり, 生体に対して強い依存性をもたらす成分です。ニコチンは主に脳内の受容体に対して結合をすることで, 神経伝達物質の放出が促進されるそうです。

ニコチンの面白い点として挙げられるのが, "Nesbitt's Paradox" です。これは, 少量の摂取であれば興奮作用が生じるものの, 量が増えるにつれて鎮静作用が現れるという矛盾の生じる現象で, ニコチンの独特な特性でもあります。

したがって, ある医学的研究ではニコチンが認知能力及び行動の制御に関わる疾患・障害に対して一定の治療効果があると指摘しています。

2. タール

タールは俗にいう「ヤニ」で、タバコを吸う時に出る煙成分を抜いた粒子成分のことを言います。乾留液とも言われるタールですが、この成分が一番癌を引き起こす要因となっているそうです。

成分として代表的なものとして、ベンツピレンやアミン類、たばこ特異的ニトロソアミン類などがあり、他にもがんを引き起こす可能性のある物質が約70種類含まれています。タールの体内への吸収は、細胞のDNAを変異させ、肺癌などの病気を引き起こします受動喫煙でも同様の健康被害が見られる為、一般的に周りの人に迷惑をかけるのはこのタールが要因だということだと思います。

3. 一酸化炭素

一酸化炭素は有名ですが、よく耳にするのが一酸化炭素中毒です。これは、血中で酸素を運搬するヘモグロビンと一酸化炭素が強力に結合した結果、酸素がヘモグロビンと結合できなくなり、身体の臓器に酸素が行きわたらなくなるからです。

症状としては頭痛、吐き気、眠気、錯乱などが見られ、タバコを吸う時の一酸化炭素の吸収は煙を吸い込むという行為に当たると思われます。この煙を吸いすぎると、血中に酸素が行き渡らなくなるだけではなく、血管を傷つける為に動脈硬化などの症状が発生します。

以上の3つが有名な健康被害をもたらす成分ですが、これ以外にも70種類以上の健康被害を被る成分がタバコには入っている為、十分に注意する必要があります。

では、それでも人々はなぜ吸い続けるのでしょうか。この疑問を分解するために、文化的な視点・価値からタバコについてみていくことにします。

5. Culture & Tobacco

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(One scene from the film "Coffee and Cigarettes")

映画「カサブランカ」のワンシーンで, 主人公が美しい女性の顔にタバコの煙を吹き掛けるというシーンがあるように、タバコにはどこか荘厳で魅力的に映るものがあります。私が友達に「哀愁」を感じるように、タバコは産業が発達してからというもの、カルチャーの1つとして認知されるようになったのです。

※カサブランカの映画のワンシーンの例ですが、時代背景を含めた記述のために魅力的と書きましたが、現代社会ではまた違う見方もあると思います。

タバコに関する面白いポッドキャストについては、こちらを参照ください。

タバコは昔は上流階級の嗜好品として広く認知されていたものの、時代が移り変わるにつれて次第にミドルクラス・アンダーグラウンドのイメージがつきました。また男性はマスキュリニティーを、そして女性は感情やストレスを抑制するイメージをタバコから感じるようになったのには、映画産業が広告として映し出したイメージが実際の世界で普及したからなのかもしれません。

2000年代に入ってからは、禁煙ブームが盛んに行われ、映画でも喫煙のシーンは次第に減少していきました。タバコは次第に「悪」というイメージを強めましたが、50年ほど前では1種のステータスとして重宝されるほどの嗜好品だったのです。

6. Wrap Up

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今回はタバコの歴史や成分など、多岐にわたってその存在について理解を深めて行きました。しかし、その存在を全て網羅するのには時間がかかりすぎるため、今回はここまでにしておきます。

タバコというのは今でも良い印象を持たない人は多くいますし、実際にも歩きタバコやチャリタバコには時折腹をたてることがあります。しかし、その起源や存在意義について一度考えることは大切だと思います。機会を設けてくれた周りの喫煙者愛好家の皆さんに感謝したいと思います。

今後は時間があれば、またタバコだけでなく他の嗜好品についても学んでいき、最終的には映像世界とどのような相関関係を見せるのか、探索していこうと思います。

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