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『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA(9/23)』感想

9/23タイムテーブル

①ヤバイTシャツ屋さん

最終日のひたちなかに着くと、サザンのグッズを求める尋常じゃないくらい長い列が目に入った。並んでいたら1組目のヤバTが始まってしまうと思い、やむなくサザンのグッズ購入は断念。

そして、私はCreepy Nutsの、同行者はヤバTのグッズを買いに向かった。

すると、ステージから本番みたいなリハの音が聞こえてきた。焦った私たちは急いでクロークに荷物を預け、リハを見に行った。

結果、見にいって正解だった。
何故なら、リハから全力で何曲も歌うし、マンキンで客と話していたから。
改めて、本当にサービス精神が旺盛なバンドだなぁと思った。
リハ時間めっちゃ長くて、本番ギリギリの6分前とかまでやってくれた気がする。

そして始まったヤバTのステージ。
初めて見たけど、圧巻だった。
これほどトップバッターに相応しいアーティストはいないのではないだろうか。

まず、当たり前だけど、客を煽ったり盛り上げたりするのが滅茶苦茶上手い。

そもそもがコールアンドレスポンスありきの曲ばかりだから、客が参加することで楽曲が完成する感じがある。

そのため、客側も当事者意識みたいなものを持っており、自然と前のめりで参加してしまうのだ。それこそが、このバンド人気の秘訣なんだなと痛感した。

とは言え、ノリ方を強制してるわけではないので、手を挙げてる人もいれば、首振ってる人もいれば、踊り出してる人もいた。

各々が楽しそうに自由に音に乗っている光景が、客として見ていても幸せだった。これをステージから見たら、もっと遠くまで見渡すことができて、更に幸せなんだろうなと思った。

そして何よりMCが面白い。
今回で言えば「勝田のジャスコ」「前で最後の曲なので、今はももクロの待機中」などのトークで散々笑かしてもらった。

だから、この大舞台でも、ヤバTはふざけ倒して颯爽と帰っていくのだと思っていた。
それはそれでプロすぎてかっこいいとも思っていた。

しかし、途中のMCでは、こんなことを話していた。

ロッキンに立ち続けるのは簡単じゃない。
レジェンドは退かないし、才能ある後輩もたくさん出てくるから。
でもずっと立っていたい。
だって、この光景がめっちゃ幸せだから。

そして、もう音楽辞めようとは思わないところまでは来れたかな、とも思う。

ふざけてるって思われるかもしれないけど、サザンみたいになりたい。
大学のサークルで組んだって共通点もあるから、本気で尊敬してる。

え、アッツゥ〜〜。
勿論、ヤバTだって何も考えず音楽やっているわけではない事くらい、分かってる。
ただ、普段全力でふざけてるバンドの本音って、ギャップも相まってすごくグッとくるんだよなぁ。
こうやって明確に夢とか野心とか語られると、純粋に応援したくなっちゃう。

このMCから繋げて演奏された「サークルバンドに光を」滅茶苦茶良かったな…。

何より、感動で終わらせず、最後に盛り上がる系の曲を連発して、客をぶち上げてから帰ったのもかっこよかった。

ヤバTのこと、表層的な理解しかしてなかったと反省した。色んな魅力が詰まってるからこそ、こんなにファンがついてるんだなぁ…。

いつか単独も行ってみたいと思った。

②ももいろクローバーZ

最強のプロアイドル。
昨日と合わせ、立て続けに3組のアイドルを見たのだが、やはり重ねた年数によるパフォーマンスの練度が段違いだった。

まず、観客を煽る技術に余りにも長けており、登場から初見の人間でもノリやすい雰囲気にしてくれた。

更に、ステージ正面に陣取るモノノフ達が完璧なノリ方でお手本を示してくれるので、彼らのマネしながら手の振り付けをしたら、一緒にライブを作ってる感覚になれて、本当に楽しかった。

そして、未だに挨拶で「えくぼは恋の落とし穴」とか「今会えるアイドル、週末ヒロイン、ももいろクローバ〜〜〜〜Z!!!」ってやってくれることに、めちゃくちゃ感動してしまった。

好きなアーティストが破茶滅茶に売れて、遠くに行った気がしても、ずっと変わらないでいてくれる部分があることは、ファンにとって凄くありがたいことである。

もう、この挨拶を70歳とかまでやり続けてほしい。今でも伝説のアイドルだけど、未来永劫語り継がれるような伝説の中の伝説アイドルになってほしいと思った。

そして、彼女たちを支える音楽隊も、音に重厚感ありすぎて最高だった。マーティ・フリードマンがギターやってる異質さと、なぜか感じる妙なマッチ感には、もはや笑ってしまった。

セトリも、有名曲を細かく区切り、出し惜しみせず連発し続けてくれたおかげで、飽きる暇が一秒もなかった。全力で客の心を鷲掴みしに来てる感じがして興奮した。

何より、可愛い。
当たり前のことなんだけど、生で見るとこんなに可愛いのかと衝撃を受けた。
ステージ向かって右側にいたのだが、メンバーがファンサしに来てくれた時、生の顔を拝んだら見惚れてしまった。
アイドルってすごい。

そして、捌け際に「12月にライブやるので来てね〜」と言いながら去っていったのが、余りにも彼女たちの逞しさを表していて、更に好きになった。

こうやって強い意志と全力のパフォーマンスで、人生賭けてファンを増やしてきたんだろうな。
超かっこいいじゃんか。
烏滸がましいかもしれないけど、ももクロのファンの気持ちが少しだけ分かった気がした。

③緑黄色社会

青春バンド。
めっちゃくちゃ瑞々しくて、キラキラしてた。

きっと、一昔前の自分だったらナナメに見ていたタイプのバンドだった気がする。
「みんな顔面綺麗で、才能もあって、いいですね〜。」みたいに。
でも、今はもうしない。純粋に天性の歌声と気持ちの良いバンドサウンドに聴き惚れることができた。

そして、初めて生で見たことによって、確信した。きっとこのバンドは、全てをナナメに見ていた中高時代に出会っていたとしても、衝撃を受けていたと思う。

特に最新曲の「恥ずかしいか青春は」は、モロに喰らっていた気がする。

だって「斜に構えるという自己防衛」をフルパワーの眩しさと圧倒的な正しさで殴ってくる歌詞だから。

そんなダサい自分が恥ずかしくなって、結局自分は真剣になりたかったんだって気付かされて、最終的にはリョクシャカのこと好きになってしまっていた気がする。

曲を聴きながら、そんな別の世界線の想像をしてしまうくらいには、彼女たちのステージに引き込まれてしまった。

リョクシャカは曲以外のことについて全く知らなかったのでWikiで調べてみたのだが、「コレ何の漫画ですか???」ってくらい、眩いエピソードの連発だった。

・組んだ時点でバンドのボーカルは決まっていなかったが、長屋の鼻歌を聞いた小林が、「このバンドでは歌えない」と悟った

・peppeは入学式で長屋が誘ったことで加入

・ベースの脱退を受け、小林が幼馴染の穴見を誘う。穴見は長屋の歌を聞いて即答で加入を決めた。

長屋の圧倒的才能に惹かれた個性的なメンバーが集い、最強のバンドが誕生する。何それ、マジで少年ジャンプじゃん。

そりゃ、こんな圧倒的歌唱力を目にしたら、ボーカルは譲っちゃうし、自分の人生捧げたくなっちゃうよなぁ。いいなあ、こんな青春送りたかったなぁ〜。

という羨ましさも込みで、滅茶苦茶に感情移入しながら曲聴けちゃうのが、彼らの魅力だなと思った。

全員本当に楽しそうに演奏するところや、バンドの仲が良さそうなところにも、青春みを感じる。

いつまでもこんな風に爽やかであってほしいな。
またこのバンドの曲は生で聴きたいと強く思った。

④Creepy Nuts

もう2人が凄いのは言わずもがなだけど、フェスでのCreepy Nutsがどんな盛り上げ方をするのか、そして会場がどんな盛り上がり方をするのかが気になっていた。

何なら「もしかしたら、バンド演奏聴きに来てる客にはハマらないかもしれない…。」という一抹の不安も抱えていたのだが、そんな心配は杞憂だった。

蓋を開けてみたら、リハから松永さんのDJプレイで客を温め、ステージが始まっても有名曲の連打で全く客を冷まさない隙のないセトリ。

そして、MCではRさんが全てのノリ方を許容することで、どんな客層も取りこぼさずぶち上げ、松永さんが音抜きやルーティンをバチバチに決めるなど、圧巻のパフォーマンスだった。

助演男優賞を思い出した。
正に「ロックフェスでのCreepyNuts、時として主役を食っちまう」だった。

そして、ブチ上がりながら感動してしまった。
この前の代々木体育館でのライブでもそうだったけど、CreepyNutsのファンの輪が、こんなに広がっているんだな、ということに。

ブリバンで盛り上がるのは当たり前として、のびしろ・かつ天・よふかし辺りも滅茶苦茶盛り上がっていて、客のボルテージの上がり具合と共に幸せな気持ちにさせられた。

あと、2日前のHOPEとセトリも内容も全然違った事に納得感があったし、どんな客層にもアジャストできるのが彼らの凄みだな、と改めて思った。

そして、今回もRさんのMCを聴きながら、オチが来る前に次の曲を予想して楽しんでいたのだが、「二度寝」は予想できても「顔役」は予想できなかった。

まさかやるとは思っていなかったので、滅茶苦茶ぶち上がった。

単独も良いけど、フェスで、いろんな客層をスキルだけでぶち上げまくっているCreepyを見るのもいいなと思った。
ファンとして誇らしくなってしまう。

2月の東京ドームが滅茶苦茶楽しみになった。

⑤WANIMA

WANIMAはとあるイベントに行った時に、シークレットゲストとして演奏しているのを見たことがあった。

その時は最も有名な2曲くらいしか分からず、ノリきれなかったのが悔しかったので、その時にやっていた曲を予習・復習してから行った。

結果、新曲以外は全て自信を持ってノれたので、純粋にライブが楽しかった。

WANIMAに関して言えば、パフォーマンスが最高に"WANIMAだな〜"って感じでよかった。

まずアツさに関して言うと、新曲のRollingDaysに入る前のMCがすごかった。

目の前におる、
毎日毎日悲しい思いして
辛い思いして
時には怖い思いして
それでも立ってる、目の前に立ってる
たった1人のお前に、あなたに届けるために来ました

MCでグッと引き込まれてから聞く新曲は、歌詞が深く刺さった。この日からプレイリストに入れてめっちゃ聞いてる。

他にも「ロッキンに立ててるのは主催者と仲良いからじゃないぞ!」とか「バンドも新体制になって、俺たちは挑戦し続けてる」とか、音楽にかける情熱とか思いの強さに心奪われた。

最高にかっこよかった。

それと同時に、親しみ易さも感じた。

具体的に言うと、まずは曲に入るまでの"語り"の部分でアツくなりすぎたKENTAが、歌詞の入りを逃してしまった場面が挙げられる。

その際、「やべっ!」とか言って客の笑いを誘いつつ、メンバーに謝りながら、もう1ループ演奏してもらって鮮やかに入り直したのが、非常にバンドの個性を表してるな〜と思った。

きっと、これまでもお茶目なミスは沢山してきたのだろうけれど、それを確かな実力でリカバリーし続けてきたんだろうな、と分かった。

また、そんなくだりがあったせいで持ち時間が足りなくなってしまい、最後の曲である「ともに」に入る前、

「駆け足でやります。
途中で終わるかもしれないです。
でも、行けるとこまでやります。」

という宣言をしてから歌い出したのには、笑ってしまった。

更に、絶対に時間オーバーしてるのに途中で止めることできず、駆け抜けるように最後までやってしまう無邪気さも、凄く魅力的に映った。

更に更に、パフォーマンスを終えた途端、マイクスタンドを撤収しながら慌ただしく捌けるという余韻ゼロの終わり方をしたのも、最早微笑ましかった。

かっこ良さと親しみ易さがこんなに同居してるバンドも中々いないのではないだろうか。

パブリックイメージの通りのWANIMAが見れて、すごく良いステージだった。

⑥THE YELLOW MONKEY

圧巻だった。

まず、登場から、見た目がカッコ良すぎる。
なんだあの色のスーツ。なんだあの長くて綺麗な髪。こんなん見せられたら、男でも惚れてしまう。

ドンズバ世代の方も、
お父さんお母さんが車でかけていたな〜くらいの世代の方も、
聞いた事あるくらいのプチヒット曲を歌います

というMCからの、大ヒット曲のオンパレード。結成時には生まれていなかった自分でも、ほぼ全ての曲を知っているって、異常なことだと思う。

吉井さんの歌ってる姿、カッコ良すぎる。
ロックスターの具現化。
大人の余裕と、それから醸し出される独特の色気。最高に痺れる。

そこからのMCも凄まじいモノばかりだった。

まず皆が書いてるが、サザンとの関係性について。

静岡の片田舎でバイトしながら生活してる時、音楽やりたいと思って客前で初めて演奏したのがサザンでした。

自分はボーカルとしてあるまじき喉の病気にかかってしまって、もしかしたらお聞き苦しい瞬間もあるかもしれません。

でも裏で桑田さんから声をかけてもらいました。

「時間という薬があるよ」と。

「桑田さん、そしたら僕おじいちゃんになっちゃいますよ」って返したら、

「バカ、俺を見てみろ」ですって。

どちらもかっこいい…。
そして、イエモンですらサザンの影響を受けているんだと知って驚いた。

どちらも生まれる前からやっているバンドであるため、誕生の歴史を詳しく知らなかったけど、サザンがどれだけ偉大なのかが身に染みた。

後で調べたら、サザンの活動開始は1977〜、イエモンは1988〜。本当の意味で生きる伝説じゃんか。

サザンなんか、俺の生まれる30年前くらいから第一線でやってるのか。エグすぎる。

また、「イエモンのこれまで」を語ったMCにも痺れた。

2000年の初回のロッキンに立って程なく、イエモンとしての活動を休止した。
2004年には解散も経験した。

でも結局、自分が音楽をやりたいってなった時、生涯で組めるバンドはTHE YELLOW MONKEYしかないなって思った。

だから、1人1人に「もう1回組んでください」っていうメールを送り、2016年に再結成した。

そのタイミングで、再びロッキンに立たせてもらった。

そこからの活動でも、コロナとかで足止めされたりして、決して単調な日々ではなかった。

自分のせいで招いたトラブルや、環境のせいで発生したトラブルもたくさんある。それは見に来てくれたみんなもそうだと思う。

でも、色んなことがあったけど、こうして25周年のロッキンのステージにも立てた。

初回からここまで立てている数少ないアーティストになれた。

だから、今出せる限りの力で歌わせてもらいます。

イエモンこれまでの軌跡についての話、永遠に聴けるなぁ。
積み上げてきた歴史がハンパないから、言葉の重みが違う。

こんな天才でも色んな事に躓いて、それでも続けてきたから、こんなにかっこいい「今」があるんだなと思ったら、感動が止まらなかった。

再結成後しか知らない世代のくせに、滅茶苦茶に刺さってしまった。このバンドのこと知れてよかったと、心の底から思った。

セトリもやばかった。
特にMCを挟んだ後からの「バラ色の日々」→「パール」本当に良かった。

特にバラ色の日々は、自分がイエモンを知ったきっかけの1つだったから、生で聞けて本当に嬉しかった。

この日から、ずっとイエモンの曲聞いてる。
なんか聞いてると、自分がイケてる感じがしてくるんだよなぁ。

きっと、ずっとこのバンドのこと好きなんだろうな。DNAに刻み込まれるような、そんなステージだった。

⑦サザンオールスターズ

なんかこれまで色々書いてきたけど、結局全てをサザンが持っていったなぁ…というのがロッキンの感想。きっと、見ていた全員がそうだったのではないだろうか。

イエモンが終わり、ステージの左後方に移動。
サザン用の様々な仕掛けのため、とんでもない数のスタッフを擁しながら設営が始まる。
それを見ているだけでワクワクした。

待機中、前の方が一瞬盛り上がったり、空撮のヘリが飛んできたり、何回か「始まりそう」みたいな"うねり"が発生したタイミングがあった。
その度に会場のボルテージの高さを感じることができて興奮した。

ただ、足がきつい。
WANIMAくらいからずっと立ちっぱで、且つフルマックスのテンションだったから、フェス初参戦の自分にとって、本当に体力が限界になってきた。

友達と話しながら何とか気を紛らわせ、サザンのステージを今か今かと待ち続ける。

そんな中、海浜公園の本領発揮とばかりに、風が強くなってきた。後ろの大学生が分かりやすく凍え出す中、昨日ドンキで買っておいた上着を羽織り、暖を取る事に成功。

少しの優越感に浸っていたのも束の間、尿意が襲いかかった。やばい。熱中症にならないようにとポカリ飲み続けたせいだ。

しかし、前後左右見渡す限り人集りで、もはや身動きなんか取れない。

我慢するしかないけど、ステージの途中で尿意の限界が来たらどうしよう…。

そんな不安を抱えながら、サザンのステージが始まってしまった。

電光掲示板が「Next Artist...」の表示になり、会場が爆発音みたいな歓声に包まれる。

その後、サポートメンバーが先に入場し、準備を開始する中、サザンのメンバーが登場。

観客のボルテージが一気に上がった。

1曲目は「女呼んでブギ」。
本当に申し訳ないのだが、私はこの曲を知らなかった。なので、令和の価値観を持ちながら、この日に初めて聞いたのだが、コンプラをガン無視した歌詞に笑ってしまった。

サビが「女呼んで揉んで抱いていい気持ち〜」なの、昭和の香りを感じる。途端にタイムスリップしている感覚に陥った。

そこからも、桑田さんの生歌を聞いてる感動で、ひたすらに聴き惚れていた。

7曲目の「愛の言霊~Spiritual Message~」からギアが一段とかかり出して度肝を抜かれた。炎の特効など、分かりやすくお金のかかった演出がバンバン使われ始めたのだ。

それに伴い、この曲くらいから、ボルテージが上がりきった観客によるサビの大合唱が全曲で始まった気がする。この空間に混ざれたの、本当に幸せだったな。

そこから、超がつくほどの有名曲の連打が始まった。
「いとしのエリー」「東京ビクトリー」「真夏の果実」などを出し惜しみせず披露してくれたので、にわかでも滅茶苦茶にテンション上がる事ができた。

他にも、「恋のブギウギダンス」ではド派手なダンサー演出があったり、「マチルダBABY」では愛の言霊を凌駕するほどの炎の特効が使われていたり、「みんなのうた」はオーラスに向けて他の出演者の名前を出すサプライズがあったり、放水する演出があるなど、全く息つく暇がないまま、最後の曲になった。

そして最後の曲は「マンピーのG★スポット」。
エグかったなぁ…。

感想としては、5万人がサビでクラップする一体感もさることながら、単純に「エロっ」って思ってしまった。

だって、デカスクリーンには永遠に「ピンクローター」と「鮑」と「キノコ」が映っているし、桑田さんの周りではキワッキワのハイレグを見にまとったセクシーな女性が扇状的なダンスを踊ってるし。

コンプラ厳しい世の中だけど、このバンドだけは治外法権なんだな〜って思い知った。

最後のMCでは

夏フェス「は」これで引退しますけど、

フェスは夏だけじゃないのでね。

秋とか…ね?

という含みを持たせて退場していったところまで盛り上げ方が完璧だった。

観客が幸せそうに声を出して、その反応を楽しむサザンが楽しそうで楽しそうで…。
見ていて終始幸せだった。

その後、観客全員でスマホのライトを照らすアンコール待ちが発生した。
今まで色んな音楽ライブでこのアンコール待ちの光景を見てきたけど、これまでとは人数が段違いに多かったため、壮観だった。

それに呼応するようにサザンが再び登場。
アンコールでの披露曲は、「希望の轍」と「勝手にシンドバット」
聴きたかった曲、全部やってくれるじゃん。
大盤振る舞いすぎ。

更に「勝手にシンドバット」の曲中、先ほどのステージでの

『出演者みんなステージに出てくればいーじゃん』

という発言を実現させ、本当に出演者全員がステージに再登場してきた。

この景色が圧巻だった。
伝説の瞬間に立ち会えたという興奮で、血が湧き立った。
コレを見れただけでも、勇気出してロッキンに来た甲斐があった。
それくらいのインパクトがある光景だった。

アンコールでは、桑田さんが後輩に"ロッキン"を引き継ぐため、「これからはこいつらの時代だ」と言わんばかりに、彼らの名前を連呼していたのがすごく印象的だった。

桑田さんに名前を呼ばれた瞬間、全員がプロじゃなくファンの顔になってたのが素敵だった。あの大ベテランのイエモンまで漏れなくだからすごい。

サザンでしか、こんな巻き込み方は成立しない。

ヤバTは1番いじりやすいからなのかわからないけど、事あるごとに桑田さんから「ヤバTいいよね」って発言を貰えていた。
さっきのステージでこやまさんが憧れを口にしていたことも相まって、滅茶苦茶グッと来てしまった。

ももクロはしおりんに「最後に一言」というキラーパスが飛んできた。しかし、「桑田さんの影響で"しおり"という名前になりました」という素敵なエピソードを披露する最高の返しで、感動の一幕を演出していたのが流石だった。

緑黄色社会は途中の替え歌の中で歌詞に登場していたり、アンコール中では名前が間違いやすいということで聞き返されたり、やり取りにほっこりさせられた。

CreepyNutsは語感が気に入ったのか、金玉という直訳が気に入ったのかわからないが、何かしらで桑田さんのツボに入ったらしく、事あるごとに「くりーぴーなっつ!くりーぴーなっつ!」と、コールアンドレスポンスを要求していたのが印象的だった。Rさんなんか、勝手にシンドバットを一節歌わせてもらっていた。エグすぎるだろ。

WANIMAは、桑田さんに「彼はいいシンガーだよ。俺はもうあんなに声出ないよ。」と褒められていて嬉しそうだったのが印象的だった。
なんなら「今度歌を教えてよ笑」という絡み方をされて恐縮していたのが、こちらまで幸せになってしまった。

THE YELLOW MONKEYは、桑田さんが吉井さんと肩を組んで歌っていた時点で優勝だった。
それなのに、曲の最後に「この音、吉井くんのジャンプで止めてよ」という桑田さんの無茶振りが吉井さんに降りかかった。それに恐縮しつつも、カッコよく演奏を止めた吉井さんに痺れた。

「きっと、この瞬間に、サザンからイエモンにバトンが手渡されたんだな…」と思うと、とんでもない瞬間に居合わせたんだという興奮が止まらなくなった。

サザンって、すごい。
まだ20代前半で、特別にファンというわけでもない、デビューした頃生まれてなかった俺でさえ、今回のセトリのほぼ全ての曲に聴き覚えがあった。そんなの普通じゃない。

「名刺代わりの一曲」がこんなに山ほどあるバンドは、サザンを置いて他にはないんじゃないだろうか。

そして、前日のsumikaのところで書いたアーティストの"格"の話をすると、全バンドを差し置いて、更にもう何段も上にいた。

メッセージ伝えた上で、観客も、関係者も、演者も、全部を巻き込んで掌握して自分たちの色に染め切ってしまう力。正に覇王色の覇気。

とんでもないバンドだと思った。
そもそも
まだ現役で新曲出してることとか、
時代に合わせて「女抱いて」みたいな曲調を変容させてアジャストしてるとことか、
かと言って「ブギウギナイト」みたいに遊び心は消えてないところとか、
60代で19曲はしゃぎまくって全く掠れない強い喉とか、
簡単に節回しを変えるリズム感・音感とか、
ふざけ方がいつまで経っても若いところとか、
衰えない容姿とか、
褒めるところを数えだしたらキリがない。

凄すぎる。
完全に喰らってしまった。
全ての感想が持ってかれてしまうくらい衝撃だった。

アンコールが終わり、ステージの撤収が始まった。
だが、一緒にいた友達も喰らいすぎたのか、抜け殻のようになっていたため、2人ともなかなか動き出せなかった。
とはいえ、観客が大移動を始めたため、その流れに乗って我々もクロークに向かう事になった。

そこでようやく尿意を思い出した。
膀胱は始まる前から結構ギリギリだったはずなのに、ライブ中は全く気にならなかった。
それくらい深く没入させられてたんだと、改めてサザンの凄さを思い知った。

帰りのバスの中でも、全然興奮が冷めやらなくて寝られないし、この瞬間を忘れたくないので、ダラダラ文字に残すことにした。

本当にロッキンに来て良かった。
そして、サザンがまだ活動しているうちに、もっと曲を聴き込んでライブに行きたいと強く思った。

サザンのアンコール後に打ち上がった花火
全ステージ終了後の大ビジョン

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