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【お知らせ】キャラデザのお仕事

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京都 世界遺産 真言宗御室派 総本山仁和寺様にあるOMURO88という88のお堂をキャラクター化した「御室ムスメ」において、「道隆 明夏(どうりゅう はるな)」のキャラクターデザインを担当しました!

世界遺産でこういった擬人化の公式企画があるなんて、と驚かれた方もいらっしゃるかと思いますが
私も驚きました。
経年劣化や災害によってボロボロになってしまったOMURO88の修繕を目的としているそうです。これはみんなが幸せになれるやつ……!

今回はちょっとした裏話を交えつつ自分がお仕事で感じたことを綴ろうと思いますが、初めてプロデューサーの方からコンタクトをいただいたとき色々とあって私直接仁和寺にお電話したんです。
でもお寺に、しかも世界遺産の仁和寺にイラストレーターとしてお電話するなんて経験当然なかったわけですから、何度脳内シミュレーションしてもうまく名乗れる自信がなく。緊張でしどろもどろになりながら窓口担当の方に名乗ったのをよく覚えています。今思うと完全に不審者だったし、もっとマシなペンネームにすればよかった……とこの時ほど後悔した日はないです。窓口の方が快くご対応してくださったのが救いでした。さすが世界遺産……。

ちなみにオリジナルキャラクター的なものは以前、元号擬人化でも出させていただいてますが、キャラクターデザインそのものがメインとなったお仕事は今回が初めてになります。
とは言え、プロデューサーの方によって綿密に練られた88種もの設定(実際に四国の本家お遍路を巡ったPさんが全て作成したもの……すごすぎる)に基づいただけですので、あくまで可視化のお手伝いをさせていただいた、と言った方がいいかもしれません。
「外見の設定は一応あるけど、イラストレーターの方で変えても大丈夫ですよ」と言っていただいていましたが、自分が担当した「道隆 明夏」ちゃんは設定だけですぐにイメージできましたし魅力も感じたので、なるべく自分が感じたままに描かせていただきました。三つ編みって実はあまり描いたことなかったので新鮮でした。

眼医者さんであるという設定は、77番目のお堂のオリジナルである「道隆寺」が眼病にご利益があることに由来しています。幼少期からよく眼科のお世話になっていた私としてはぜひあやかりたいところ……。
ラフデザインの段階では、実は眼鏡をかけさせていました。”眼”というキーワードにつられたんですね。でも「眼科医なのに視力悪いのはどうなんだ」ということに気づくことができ、逆にキラキラした奇麗な瞳にしよう!と最終的に落ち着きました。あとはお医者さんはお医者さんでも、眼医者さんだよって伝わるように遮眼器を持たせてみたり、箪笥に眼科とか眼鏡屋でよく見かける検眼レンズを入れ込んでみたり。Pさんのアドバイスのおかげでもあります。

あとは今回の企画で最も大切である仏教の要素。こちらはかなり丁寧に監修していただいてます。88人全キャラがです。私も宗教が絡むお仕事では間違いがなるべくないように自分なりに調べはしますが、今回のお仕事を通して勉強になったことはたくさんありました。

細かい各キャラクターの設定やその秘話については、御室ムスメのツイッター公式アカウントでも見ることができますので、ぜひご覧になってみてください。何やら今後も色んな発表があるらしいですよ。

最後にかなり個人的なつぶやきですが、今回キャラクターデザインのお仕事をさせていただけたこと、めちゃくちゃ嬉しかったです。もちろん全てのお仕事が楽しく光栄で大切な経験です。ただ、オノ・タコ=和風の絵柄がメインになりつつある(なってる?)現状において、和風ではない絵柄でも需要があった、ということにホッとしたと言いますか。以前から呟いていますが、自分は和風の絵柄を磨きつつも、それ一本だけでやっていくつもりはないので、今後とも幅広く色んな制作のお手伝いができるよう精進していきたいなと改めて思いました。

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……でもやっぱり描いちゃう。