台風の夜に岡山から神戸まで自転車で走った話

自転車の思い出を書くことが思いの外楽しかったのでまたまた。写真は撮ってませんでした。すみません。

僕は大学進学をきっかけに岡山で下宿を始めました。実家は神戸なので、気分が乗っているときは自転車で帰省しています。ルートにもよりますが、実家まで180km程度です。

このライドを行った日は夜9時頃まで用事があり、学校にいました。まだ夏休み中だったと思います。

そのとき何を思ったか、長野に行きたいと思いました。一時期話題になった「君の名は」をゲオで借りて観た直後だったことが大きいです。

思い立ったが吉日、ということでとりあえず着替えと最低限の金銭、そして長野から電車で帰るための輪行袋を自転車のキャリアに取り付けて出発しました。

その頃には夜11時を回っていましたが、そのため普段車通りが多い180号線には車がほぼ見当たらず、夜の静寂と夏の夜のちょっとひんやりした感じの中を歌いながら走っていました。

岡山市街を抜けて250号線に乗り順調に進んでいたと思いきや、道を誤ったか、気づけば2号線に乗っていました。

夜の2号線はトラック地獄です。さらに法定速度ガン無視でぶっ飛ばして来るトラックの軍団の横を、怯えながらひたすら漕いでいました。

風圧でバランスを取られるわ、トラックのエンジン音でビビリまくるわでとても怖かったです。向こうからしたら、そんな時間に道の脇をチョロチョロ走る自転車の方が迷惑この上なかったと思います。

なんとか2号線から抜け出し、ちょっと迷子になりながら250号線に戻って進みました。

備前あたりの道が海沿いの漁港や街を駆け抜けることができて、トラック地獄から解放されたことも相まってとても楽しかったです。

そんなこんなで岡山と兵庫の県境にある峠まで進み、あかりもない道を自分のライトだけを頼りに走っていると、突然野生の鹿が現れて心臓が止まるかというほど驚きました。幸い何事もなく素通りできたので良かったです。

県境を越えて、龍野、相生、姫路と順調に進んでいき明石に差し掛かった頃、急に眠気が襲ってきました。気がつけば朝5時になっていました。

これはいけないと思い、これもタブーではありますが最寄りのマクドナルドで少し仮眠をとりました。

その後7時ごろに外へ出ると、大雨…。
それもそのはず、大型台風が日本列島を直撃して大荒れでひた。

割りと楽観視したまま走っていたのですっかり忘れていました。

豪雨の中ペダルを回すこと2時間。実家の神戸まで辿り着きました。もう雨と眠気で心が折れそうだったので、そのまま着弾しました。そこから午後3時頃まで眠り、電車で岡山へ蜻蛉返りしました。

自転車に乗るときは計画をちゃんと立ててから走りましょう、という教訓…。

お金は本やクロッキー帳、ペンのインクに使いますので、面白いと感じたら支援していただけると嬉しいです。