国立小学校を検討してみて感じたこと
小さいうちの環境づくりこそ頑張りたいなぁと思っています。『子育ての大誤解』という本を読んでから、特にそう思うようになりました。
親にできることの大部分は「環境をつくる・選ぶ」なんだろうなと思ってます。
恩師から国立小中の話をきく
そんな中で国立小学校を検討するようになりました。きっかけは中学時代の恩師。先生は私のクラスを担当したあと国立中学で教壇に立ち、そこでの経験を「本当に楽しかった」とおっしゃっていたのです。
「深い学びのある授業をやろうと思っても1人ではできない。でも国立中にはそんな先生がたくさんいた。だから思い切りやりたいことができた」「国立小から上がってきたのびのびした子たちと、中学受験で入ってきたお勉強の得意な子たちが、3年間でいいかんじに混ざるのよ。とってもいい子たちが育つの」
へ~、そうなんだ!とワクワクしながらこの話を聞きました。知人に国立小の卒業生もいませんでしたから、ほぼ初めて内情を知ったのです。このあと国立中の授業を見学させてもらう機会もあって、「先生のおっしゃってた通り、子ども達が主体的に見えるな!」とますます期待が膨らみました。
入試内容について調べてみた
思い立ったら即行動。入るにはどうしたらいいのか調べてみました。
まず参加したのはこの辺りでメジャーな幼児教室が主催した入試分析会。
「今年はガラッと入試内容が変わりました!まず一問目は、ウンピツです」
いきなり知らない言葉が出てきました。ウンピツ…?ってなに??
これが運筆だそうです。写真ではひらがなを書いてますが、その入試ではマルでした。それが紙いっぱいに書いてあって綺麗にたくさんなぞるのだそうです。
「姿勢の良さ、集中力、しっかり鉛筆を持てるか、あとは諦めない心が試されます」
そうなんだ…。
一緒に聞いていた夫がぼそっと言いました。「おれ、たぶんこれやれない」そうだね、夫くん向いてなさそうだね…。
その後も”諦めない心”とか”みんなと仲良く”など、思ったより保守的な言葉がでてきてポカンとしたまま説明は終わりました。国立小って、こういう感じなの?
国立小対策の本も読んでみた
いやいや、お教室の方針に影響された内容だったのかも?と思って、今度はこの本を読んでみました。『国立小学校 合格バイブル』
しかしここでもやっぱり似たような説明がなされていたのでした。
なんで…?
どんなふうにその課題に取り組みたいか自分で決めさせてくれないの?まず一人でじっくり向き合ってみたい子はどうするの?「だめよ、お友達に声かけて一緒にやりなさい」って言うの???わたしなら任された仕事にどう取り組むかまず自分で考えたいんだけどな…。
え…むしろ集中して作業してるのになんで声かけるの…?わたしが仕事してる時にそんなことされたら「すみません、いまちょっと難しいので後にしてもらえますか」って言うし、声かける側ならまず相手の様子をみてタイミング考えるんだけど…。
これが試験である以上なんらかの基準で判断が入るのは分かっています。なのでこの判断基準にいちいち「なんで?」と思っちゃう私は、要するに国立小受験に向いてないということなのでしょう。それはそれで腑に落ちつつ、国が募集している学校の子ども像に驚いたということです。ちょっと勝手なイメージ作っちゃってたかな。
どんな子にもまず「いいよ」って言ってあげたい
この入試基準からいくと、目の前のことに一人で没頭するタイプの子は、国が選定する小学校にははじかれるという事です。なんだかそれは勿体ないなと思います。一人でじっと取り組んだ先に誰も思いつかないひらめきがあるかもしれないのに。それによってチームの結果がガラッと面白いものになるかもしれないのに。
そう思うと、私はまずどんな子にも「それでいいよ」と言ってあげたいし、そう言ってくれるような学校に息子を託したいのでした。
とすると…しかしそれはやっぱり公立小学校ってことになるのかなぁ。入試ナシでどんな子でも入れるんだもの。でもなぁ…公立小がどんな子どもにもYESのメッセージを送ってるかと考えると、ちょっと分からないんだよなぁ。もちろん学校にも先生にもよるだろうけど。
前に大きなお子さんを持つ先輩母に公立小への不安を話したら「学校ってね、水物なのよ。その時の校長先生とか担任の先生の当たり外れで全然違うから。今からそんなに考えてもわかんないよ」と言われたことがあります。うーん、だとしたら。環境選びこそ力を入れたい私としてはそんなギャンブルには乗れないんだよなぁ。
どんな子にも「いいよ」が用意されている、ギャンブルではない学校探し。まだまだ続きそうです。
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