先生とフルートと私《先生のCD》
先生がフルートのCDを自主制作したというので、購入させていただいた。CDにサインを書いてもらったりなんかして、喜び勇んで 家に帰り 早速聞いてみる。正座をして ヘッドフォンをつけ 聞き始めた私は、1曲目の その上がっていく音階に合わせ、正座のままコロンと横に倒れた。そして「すげ~ すげ~」、「すげ~ すげ~」と言い続けた。その後も横になり聞いていた私は、いつの間にか 気持ちよく うたた寝をしてしまった。これは "先生にやられたな~" と思いつつ一言「先生、すごいよ!」
それからというもの毎日毎日朝な夕なに聞いている。私のお気に入りの聞き方は、アットランダムではなく、頭から順番に聞く聞き方、夜、寝床についてからは絶対この方法で、気持ちよく眠りにつく。時間のない朝は1~2曲選んで、それを聞いてから 軽やかに家を出る。不思議なのは、こんなにも毎日聞いているのに飽きる気配がないということだ。
一年近く経った頃、先生自身がこのCDをけなし始めた。『そもそも音が変だ』とか、『何でこんなもん作っちゃったんだろう』とか、私は「そうですか?そんなことないと思うけどな~」と言いつつも、内心カチンときてて "何だよ先生、私のお気に入りのCDを悪く言うんじゃねぇ" などと思っていた。
ある時 急に、" いや、待てよ。私もnoteに駄文を投稿した後、あれやこれや気になり出して、結局 修正をしているよな~。もしや それと同じことか。私は修正可能だけど、先生のCDは そうはいかないから 先生、じくねったか― " そう思うと心のカチン音も弱まった。
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