びしょ濡れの 詩作


壊れた浄水場の鏡は
街をさかさまにしている
ときどき世界は斜めになって
坂道に血が流れる
渦を巻いて坂を下る

びしょ濡れの夜景を
大事そうに隠して

泥だらけのお食事が
哲学を始める
線をなぞる涙の塩辛さを
なかったことにするように
拭う腕はザラザラしている

渦を巻いて坂を下る
歩きたくない
歩かない

※類想の際はご報告ください 作品を撤回します

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?