見出し画像

「七草がゆ」で思う「そのへんの草、肯定」の見直しも大事なことではないか

七草がゆを食べる習慣が日本にはありまして、1月7日にそれを食べることが江戸時代から現代にも続いています

七草がゆは初春に芽を出す七つの野菜というか、ほぼ野草を粥に入れて炊いたご飯です
このうちスズナは株、スズシロは大根なので、これらはまさに野菜ですが残る五種の草は、いわば「そのへんの草」と言えると思います

たとえばナズナは通称「ペンペン草」、ハコベやホトケノザはまさに道端の草の代表格でして、ふつうの人はふだんこういう草をあえて食べることは無いかもしれません

20年ほど前に「野食」というかっこいいタイトルを付けて野草を食べるアウトドア料理特集を雑誌で見かけましたが、その後どうもこの手の行動は沈没してしまったようです
しかし「翔んで埼玉」が「そのへんの草」に意思ある者に火をつけたらしく、「そこらへんの草を食う」についての記事がネットで発見できるようになりました

不幸にして能登半島で大震災が起きてしまい、連日テレビでそこに住む方々の避難生活が映し出され、飲み水や食料が十分行きわたり難い状況を見るにつけ、早く何とかならないものかという気持ちと、いつかは我が身に同様の事態が降りかかることにも想像が行き着いてしまいます

人には普段の食生活があり、普段食べ慣れないものは非常時だからといって簡単に食べこなせるものではありません
普段から、普段食べないものをたまには食べてみて、だんだんいろんなものが食べられるように慣れておくことも、災害のみならず、もしかしたらエネルギー危機などの人的要因による生活困難に対応できるチカラになるのではないだろうか?
今年の新年はそんなことを考えていました

そんな中で春の七草を食べるという日本の伝統ともいうべき習慣は、そのへんの草をストレスなく食べられるようにする、良い行いではないかと感じられます

もう今年の1月7日は済んでしまいましたが、春の七草は実はこれからが全盛期になりますから、まだまだその気になれば収穫することができます

「そのへんの草」と一口に言っても食べられる草と、毒がある草、食べ難く栄養が無いような草、不味い草などいろいろありますから、まずは春の七草から入門して、「この草は食べられる」「芽の時期なら美味しい」「こんな具合にして調理すれば食べられる」「この草は似ているけど毒があるから食べてはいけない」・・・このような野草リテラシーを得ることが春の七草習慣の応用で見に着くはずです

<追記>
書き忘れてしまいました重要なことを以下に追記します
このnote投稿タイトルの写真はホトケノザの花なのですが、この写真のホトケノザは春の七草のホトケノザとは別物です
食べると苦くてエグくて食べられたもんじゃない、そのような(名前は)似て非なるホトケノザですから、ネット検索や図鑑で「あった!これがホトケノザだぁ!」「さあ早速煮て食おう!」にならないように注意してください

春の七草のホトケノザは、赤紫の花ではなくて黄色い花をつけるキク科の植物のコオニタビラコがそれです
<追記終わり>

そうした「そのへんの草リテラシー」が身に着けば、災害に遭って短期間は自活しなければならない事態に追い込まれたとき、そのへんの草を救荒食として少なくとも生きて行ける可能性が高まることにつながるでしょう

救荒食なんて現代では死語なのかもしれないけど、ドングリの仲間のうち、シイの実は生でも食べることができて、食べ物に困ったときの救荒食として昔の農家さんの家の周りにはマテバシイというシイの木でも大きなドングリをつける木が植えられてあったと聞きます

そうは言っても、すぐにどの草が春の七草なのか?
どれだったら食べられるのか?
食べ方はどうすればいいのか?
このようなことを体得するのは簡単ではないと思いますが、動画などでその手の内容で投稿されているものもあるし、ネットや書籍でも見つかります

私はたまたま里山再生のボラ活をしているので、以前からたまに提案しながらなかなか本腰が入らなかった「そのへんの草を食べてみる」体験を、ここのボラ活仲間と今年は是非実現させたいと、
これを今年の新年の抱負にしました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?