私の「トラウマ」体験 その4-①

 ここからは私が就労移行支援で受けた「同性支援」について具体的に評細を語ります。今回はその1回目なので、「その4-①」としました。結論はその前のその4に書いていますので、それも参考にしながら読んでいただけると助かります。因みに就労移行支援の名称に関しては、特定を避けるためにSとしておきます。
 では、「同性支援」の話に入りたいと思います。
 それは2016年1月初旬のことでした。ある日、サービス管理責任者(以下、男性サビ管)に呼ばれました。そして、次のように告げられました。
『後1年しかないので、同性支援をします。仕事ができるのは男性調理師(以下、同様)だけで、後は私(=男性サビ管)と例外ですが交渉担当の女性支援員(以下、交渉女性支援員)が担当します。他の女性の支援員は挨拶程度です。Sとして最終手段であり、このやり方は常套手段です。分かっていますね』。
 ここで背景を追加しますと、当時の職員は10人前後で、男性スタッフは男性調理師と男性サビ管だけで、後は圧倒的に女性が多かったと記憶しています。また飲食店であり、厨房に3人(男性調理師、女性2人)、事務2人(男性サビ管と交渉女性支援員)、後はホールに5人ほどが配置されていました。私は当時厨房で働いていて、その中の若い女性調理師に恋していました。職員たちはその様子を見てそのために仕事が停滞しており、他の女性スタッフに波及するのを恐れていたのでしょう。
 この背景を念頭に置いた上で話に戻ります。最初に話を聞いた時は、あまりにも唐突な話で頭が混乱しました。そこで男性サビ管に基本的に反対であること、挨拶程度とは何か等様々な質問を投げかけたこと、そしてこの支援への懸念を伝えました。しかし、男性サビ管は時折笑顔を見せながら何も応えませんでした。それから『ここで君が(同性支援を)オーケーすればできるんだ』『若い女性調理師にはもう伝えてある』と言い放ちました。状況的にイエスしか言えないのですから、かなり怖かったというのが当時も今も変わらない心境です。そこで『若い女性調理師のためなら賛成します』と私が言うと、男性サビ管が『自分のためでしょう⁈』と少しキレた口調で応えました。
 ここまで「同性支援」の導入部を書きました。まだ先が長いので、一度ここで話を止めて考察をしたいと思います。
 まず、男性サビ管は『最終手段』と明言しています。それはこれしかない、1つしかないという意味であることは明らかです。なので立派な命令であり、自己決定では決してありません。それは男性サビ管が私の反対等の意見を「無視」したこと、『ここで~』『若い女性調理師には~』と発言していることからも明白です。ならば、責任は上の立場である男性サビ管を始めとする支援員側である必要があります。しかし『自分のため』として私の自己責任にしています。そこからは男性サビ管、男性調理師、交渉女性支援員を頂点とし、残りの女性支援員が下、更に私のような利用者たちが1番下という、男性(力ある立場)優先構造が透けて見えます。要するに、下に行けば行くほど責任が重くなり、上にいくほど責任が軽くなるという社会構造です。これは「支配」であり「暴力」というより他はありません。なので、今回の男性サビ管による「同性支援」の導入部は「支配」「暴力」の始まりと考えて差し支えありません。
 ところで、なぜ例外として交渉女性支援員がいるのでしょうか。その理由は不明ですが、名誉男性だからと私は考えています。それは男性優勢社会に適応する過程で男性の常識や価値観等を身に付け、それに無自覚になっている女性と言えます。差別と言いたいでしょうが、女性で地位が高くなるほど、男性のそれらに対し意識的に直面した言動が要求されますので、敢えて名誉男性としました(因みに、この交渉女性支援員は私の「トラウマ」体験その1』と同じ女性です)。
 とりあえず、今回の話はここまでにしておきます。ここまで読んでいただいた方に深く感謝申し上げます。
 


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