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勤めるなら大企業?それともベンチャー企業?ー大企業編ー

YouTuberの台頭により、「好きなことで生きていく」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、多くの人はインフルエンサーでもなければ、動画投稿で生計を建てれるわけでもありません。そのほとんどが、企業に就職して、お給料をもらうことになるのではないでしょうか。
世の中の企業のほとんどは大企業、中小企業、ベンチャー企業の3つに大別することができます。今回は大企業、ベンチャー企業(中小企業)での勤務経験からそれぞれで勤めるメリット・デメリットをお話できればと思います。

悪いことばかりではない!大企業に勤めるということ

就活をしていたころ、私はtoBのメーカーを志望していました。
周囲の人たちの中には「大企業だと好きなこと・やりたいことができない」とか、「大企業も安定ではない」と言っている人たちもいました。
あなたの周りにも、このように大企業に勤めることが、あたかも悪いことかのように言っている人たちがいるかもしれません。
ここで、注意して欲しいのですが「大企業も安定ではない」≠「大企業やばい」です。正しく解釈するのであれば、「大企業ですら安定ではない」ではないでしょうか。つまり、ベンチャー企業や中小企業にも保証はありませんし、企業体力やビジネスモデルによっては、よりリスキーであると言えます。


大企業に勤めるメリット

・その1:確固たるビジネスモデルを根拠にした企業体力
大企業であるということは、規模が大きいビジネスモデルを持っていることがほとんどです。主となるビジネスモデルを中心に事業の多角化をしている企業も多くあります。すると、必然的に企業体力も高まるため、不景気にも比較的強いといえるでしょう。となると、すぐに自身の給与が下がったり、会社が倒産するなどのリスクも低くなります。そもそも、大企業が倒産するほどの不景気であれば、同じ業界の大多数の企業も同じか、それ以上にひどい状況に陥っているでしょう。

・その2:福利厚生を中心とした様々な制度
大企業であれば、従業員の数も多いため様々な制度が充実しています。
私が勤めていた企業では、自動車を購入する際に補助がでたり、交通費の支給や社宅の完備などがありました。一方、今の企業には、これらは一切ありません。転職の際に額面の給与は大きく変わりませんでしたが、これらの影響で実質的な手取り給与は大きく下がりました。
また、傷病時の対応も大企業の方が手厚いです。部署が多くあるため、復職後、配置転換も望めます。同じ会社でも全く違う環境に身を置くことも可能です。私の今の企業では、適応障害になった翌日、社長から大分県への出張を打診されました。正直、この人はなにを言っているのかと理解ができませんでした。

・その3:いい意味で責任領域が狭い
大企業であれば、一個人のミスで会社経営が傾くことはほとんどありません。(役員クラスになると別)ですので、なにかやらかしてしまっても、なんとかなることがほとんどです。私自身も大きな失敗をして、あわや1億円超えの大損害を出しかけましたが、結局、ことなきを得ています。また、当時の直接の上司(次長クラス)から、部下のミスに対して責任を負うから高い給料を貰ってると言われました。普段、愚痴の対象になりがちな上司ですが、いざというときには頼りになりますので、どんどん利用しましょう。
ある意味、そこまで気負わず気楽に仕事に取り組むことができます。
病んでしまってから痛感しましたが、精神衛生上、仕事に必死になりすぎるのもよくありません。

・その4:転職時のネームバリューが段違い
現在の転職活動においても、大企業に勤めていただけにも関わらず、それだけで興味を持ってくださる人事担当者の方が多くいらっしゃいました。地方での転職ということも影響しているかもしれませんが、ある人事の方からは大企業勤め=エリート、有能といった固定観念があるとお伺いしました。他に商談時にも、前の企業名が良いようにはたらくこともありました。退職してからの方が、その有効性を実感することが多くあったと思います。

大企業に勤めるデメリット

・その1:年功序列が根強く残っている
評価制度にもよりますが、まだ多くの大企業では年功序列で給与が上がったりする制度も残っています。インセンティブが低い企業であれば、若いうちから大幅な給与アップは見込めないでしょう。ただし、一般的に見て大企業であれば、ほとんどの企業よりも給与は多い傾向にあります。福利厚生も含めると、かなり大きな実質年収の差になります。

・その2:社内政治が超重要
これは従業員数が多い弊害になりますが、なにかものごとを進める際には、社内での交通整理、根回しが非常に重要です。顧客との間で話が成立しても、上長の許可、ひいては会社の許可が必要になってきます。これがまた厄介で、顧客との交渉よりも難しい場面が多くあります。また、大の大人がマジな顔をして、派閥の話をしていたりもしますし、配置転換という名の島流しも多くありました。これらのことから、仕事に本気になりすぎず、ゲーム感覚で向き合わないと病みます。実際、社内政治で潰されていく人も何人かいました。

・その3:仕事に対するモチベーションの差が大きい
出世を目論む人と出世競争から離脱した人では、当たり前ですが仕事に対する熱量が違います。前者をうまく巻きこむことができれば、自分の仕事をスムーズに進めることができますが、後者の中には、モチベーションとともに仕事に対する責任感が低い人もいます。こういったタイプと仕事をすることになると地獄を見るケースもあります。例えば、依頼していた業務ができていなかったり、忘れられていたりとあります。意外かと思われるかもしれませんが、そんな人でも一定の役職についていたりもするので余計に厄介です。

大企業に勤めることのまとめ

大企業に勤めるメリット・デメリットをご紹介しました。
プライベートを優先するために多少嫌なことも我慢でき、かつ仕事にほどよく打ち込みながら、高水準の生活を送りたい人には大企業勤めが良いのかなと思います。また、100%自分のやりたいに拘らなくとも、ある程度妥協ができ、その上で楽しめる人には、この上ない環境です。
僕自身、大企業からベンチャー企業に転職を決めた理由として、「できること」と「やりたいこと」が増えてきた結果、妥協することに疑問を持ってしまったからでした。