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デザインインプットのモチベーションを高めてくれる誌面たち 13選

皆さん、どのようにしてデザインの勉強をしていますか?

デザイナー歴が長くなればなるほど、こういった質問をする機会もなくなってきて悲しいのですが笑、私にとってもいまだに興味のある話題でして、いろんなデザイナーさんとお話する機会があれば取り上げたいことのひとつです。

ここで言う「デザイン」とは、表面上に見える装飾などのヴィジュアルデザインに限りますが、私の場合は普段から出来ることとして、ずっと好きで自然と続けられている「雑誌や本の誌面のデザインを見ること」がひとつとして挙げられます。
業界に入ったばかりの頃はお金もなかったので、それと、あとはひたすら作りまくる(=自主制作)、ということを繰り返してきた気がします。

Webのデザインを勉強するのに、オンライン上でWebサイトのデザインを見るのは、流行のデザインやインタラクションを把握するのにとても重要ですが、それ以外に、雑誌などの誌面のデザインを見ることも大事だとおっしゃるデザイナーさんも多くいらっしゃいます。その意見に、私も大賛成。

雑誌って、細かく作り込んでいる箇所が多々あったりするのに加えて、各トピックでデザインを変えていたりするので数ページおきに異なったデザインが現れたり、各号のテーマに沿ってデザインされているものであれば、毎号新しいデザインに出会ったりします。なので、装飾や文字組の引き出しを増やすのに、とても最適だと感じます。あしらいなどが、実際に使われているのを見ることも出来ますし。

私も、もともとは紙のデザインがやりたかったのもあって、様々な本や雑誌を見ては、それらに助けられてきました。それでもおそらく偏っていて、まったくもってたくさんとは言えないレベルだとは思いますが。

そこで少し、特に気に入っている雑誌や本をここにまとめてみようと思います。


この記事を書こうと思ったきっかけ

これまで、長崎⇒東京⇒神戸⇒NY⇒西宮...と移住してきましたが、引っ越し作業をする度に「本、重すぎる...」と思いつつ、でも自分がとっても気に入った雑誌などはずっと手放せず手元に残していて。
(思い返せば、それでもかなりの数の本をすでに手放してしまったなぁ...もったいない、、、)

+81のVOL.22(2003年)は、前事務所で元BOSSからぶんどったもの
2012〜2013年頃のHUgE

そろそろ断捨離せねば...と思っていたところ、「本」はしょうがないけど、「雑誌」の部類は気に入ったページだけ切り取って、様々な場所で手に取って参考にと持って帰ってきたフライヤーやツールたちと一緒に、アナログ的にファイリングして持っておこうと思い立ち、まとめ出しました。

まだ全然作業進んでない……

気に入った雑誌を傷付けたくない…と思いつつ、でもここは心を鬼にして……。とはいえ、まぁこの作業、昨年からまったく進んでいないのですが笑、その時に参考にした箇所を改めて見てみたりすると、初心に返ることが出来たりして。
勉強は気軽に、身近なものから出来るというのを、自戒も込めて書き留めておこうと思ったのがきっかけです。あと、ここにまとめることで、綺麗に保管しておきたいという気持ちに踏ん切りがついて、ファイリング作業が捗るかなと思ったり…。

本当は昨年書いてしまう予定で、先日久しぶりにGoogle Docsを開いて最終更新日を見たら、なんと昨年の9月とかでした。1年以上放置。笑

先日開催されたzoom会で、しなやかデザインの藤原さんが、私が業界に入った頃に雑誌の制作に携わっていたのを覚えていてくださり、そこで少しお話させていただいたことがこの書きかけの文章を思い出させてくれ、書き上げるに至りました。感謝…。

* * * * *

前置きがとても長くなりましたが、今でも自分がときどき開いて目の保養がてらただただ見たり、参考にしたりする誌面たちを並べていきたいと思います。

挙げたものは、ここ最近の号を見て追記したものもありますし、何年も前から見ているものもあります。
実際に自分が参考にしたと思われるデザインも、僅かですが一部掲載してみたいと思います。興味のある方は、是非ご覧ください。


📖 +81

参考になる本などあるか、読んだほうが良い本はあるかと聞かれたら、「+81」は真っ先に答えるかなと思います。そのくらい、個人的に見ているだけで制作意欲が湧きまくります。
視認性を重視していなさそうな大胆なレイアウトがとっても刺激的で、「こういうレイアウトも有りなのか...!」とハッとさせられるデザインを多くインプット出来ます。
日英併記なので、英語の勉強にも...(←しようと思ってしていない人)。

+81 magazine websiteより
https://www.plus81.com/magazine-issue-blog/2017/3/10/vol75-japan-graphics-issue

💻 影響を受けたデザイン

何年か前のポートフォリオABOUTページ


📖 アイデア vol.343

この本については、たった数ページなのですが、自分のデザインの原点にもなったと言うか、「あぁ、こういうデザインが自分の武器になるんだろうな…」と実感したデザインが出来たときに参考にしていた本なので、その数ページのためにずっと大切に手元に置いています。
「アイデア」なので、その数ページですら切り離したくなく...。おそらくずっと持っていると思われます。少し探してみましたが、この号はもう手に入らないかも。

例えばこんなところ👀

💻 影響を受けたデザインたち


📰 朝日新聞GLOBE

こちらは個人的にイチオシです。
雑誌の制作に携わっていた頃に、アートディレクターの巨匠から教えてもらい、それ以来ずっと参考に......しているわけではありませんが笑、そして存在を忘れることも多々ありますが汗、個人的に大大大好きな紙面デザイン。大胆な文字や写真の使い方はめちゃくちゃ参考にしていました。

少し前にInstagramを運営されていることを知ってから、気に入った表紙のものがあれば買おうかと思ってチェックしています。
デザインは、木村裕治さん。
(でも最近ちょっとデザインが大人しめ...?デザイナーさん変わっていたら嫌だな…)

上記の木村デザイン事務所さんのページや、Pinterestなどで表紙だけ見るのも良いかと。

💻 影響を受けたと思われるデザインたち


📖 HUgE

もう休刊してしまったので本屋などでは見ることが出来ない雑誌ではありますが、独立当初などにかなりお世話になった雑誌です。
2回ほどリニューアルされたようなのですが、記憶をたどれば2回目のリニューアル前?が、誌面のデザイン的には格好良かったですね。美しいというよりは格好良く、無骨な感じが好きです。
特に参考にしたところは文字組。筆記体、明朝、ゴシックなど、違うスタイルのフォントを組み合わせる手法などはこの雑誌から学びました。

例えばこんなところ👀

💻 影響を受けたと思われるデザインたち


📖 THE CRAFT BEER BOOK(別冊Discover Japan)

整った美しい誌面デザインの中にポップな表現が映えています。
レイアウトが綺麗過ぎて、何年も前のものですが今でもときどき、割と全ページ目の保養に見ていたりします。「ここで手書き使うんか...!」みたいな表現が学べたりします。

例えばこんなところ👀

💻 影響を受けたと思われるデザイン

自主制作


📖 FRaU SDGs MOOK

誌面のデザインがとっても美しいです。イラストや手書き文字などポップな表現も多々あって、個人的には参考になる箇所がたくさんあると感じており、毎号ではありませんが、本屋でパラパラと見てみて気に入ったら購入しています。
こちらもじわりじわりと増えてきているので、購入する際は吟味しなければ...。

例えばこんなところ👀


📖 FUDGE / men’s FUDGE

FUDGEってどちらも誌面はキレイなんですが、個人的にはmen’s FUDGEのほうが雰囲気が好みです。
細かいところの作り込みが参考になったり、ファッション誌なだけあってフォントもいろいろ使われているので、そのあたりも勉強になります。

例えばこんなところ👀


📖 Forbes JAPAN

誌面めちゃくちゃキレイで、最初に見たときは、「こういう分野でも、こんなオシャレにデザインするのか...!」と、感動した記憶があったのでインスタを遡ってみたら、やっぱり感動していました。

要素はかなり多めで、文字サイズも他のものと比べたら大きめですが、整っていてめちゃくちゃ見やすい。参考になります。 

例えばこんなところ👀


📖 WIRED

こちらも同じく、誌面ものすごくキレイですよね。CDはPARTYさん。
WIREDは毎号チェックしているわけではないのですが、イラストのクオリティも高いし単純に好みで、レイアウトもいろんなバリエーションを学べるのでとってもオススメです。サイズ感も持ちやすくて良いですよね。

例えばこんなところ👀


📖 kiitos.

こちらも毎号は見ておらず、むしろかなり久しぶりに先日拝見したのですが、めーっちゃ良いですね。かーなりオススメ。女性向けのデザインではありますが、いろんなあしらいが学べます。個人的にはめずらしく全ページ隈なく見ていて、今のところファイリングせずにまるごと保管しておきたい1冊です。

Amazonより


📖 DUTCH DESIGN(オランダのデザイン/グラフィック編)

私が勝手に師匠と呼んでいる地元のデザイナーさんが持っていて、真似して買いました笑。
なので、見ると初心に返るというか、メンタルの保養にときどき役立っています。

他に挙げたものは国内の雑誌なので、海外のデザインを一気に見るにはやはりこういった本が必要ですね。誌面のデザイン自体も勉強になります。

Amazonより


📖 ユリイカ(表紙)

最近の「ユリイカ」の表紙、格好良すぎませんかぁぁぁぁぁ?????
そう思って、つい先日調べていたところなので挙げてみました。
大変失礼ながら、冊子自体は購入したことがないのですが…最近本屋に出向くといつも表紙に目が行っているので、次回は購入してみようかと。

検索していてこちらのTwitterに出会ったのですが、表紙はずっと羽良多平吉さんが手掛けられており、昨年から北岡誠吾さんという方に変わったとのこと。

お仕事全部、格好良すぎる。
LABORATORIESに所属されていたとのことで、納得です。

それにしても青土社さんの書籍って、現代思想やユリイカなど、装丁が格好良い冊子・書籍が多い気がしますが気のせいでしょうか。北岡さんのお仕事同様、今後しばらく注目してみようと思います。


📖 樂 ra-ku

最後に、宣伝みたいになってしまいますが、先にも書いた携わっていた雑誌というのが、こちらの「樂」。ライターさん、カメラマンさん、デザイナーさん、皆さん長崎の方で、自分が関わっていたのは独立前の2〜3年ほど前(今から13〜14年前?)になります。

一応実績にも載せているこの2枚なんかは、巨匠にご指導いただきながらレイアウトしたものですが、文字組やフォントのチョイスなんかは本当に勉強になりました。

💻 影響を受けたデザイン

自主制作


(余談)

以前のnoteにも書いたのですが、2020年に発行されたvol.47と48に、「人生を変えた街 ニューヨーク」というタイトルで、写真とともに寄稿しています。
雑誌のターゲットは年齢層高めなのでデザインも渋めですが、内容によってはハマると思います。長崎に興味があったり、何かしら機会があれば是非手に取ってみてください。


* * * * *


という感じで、いくつか挙げてみました。
私は上記のたくさんの誌面たちにお世話になってきましたが、その誌面をデザインしたデザイナーさんたちも、どこかで何かしら参考にしているものがあるはずで、そう考えると面白いですよね。
参考にして、それをどうオリジナルに持っていくかが本当に重要だなと感じます。

今回挙げたものが勉強になるかどうかというよりは、こういう本や雑誌、それらに限らず、自分が見ていてワクワクするような、今すぐ手を動かしたくなるような“何か”を常に側に置いておけるように、と常々考えています。
「作りたい衝動」みたいなのが先に来ないと、すぐ挫折する気がするんですよね。楽しめないなら、“デザイナー”ってただただ苦痛な仕事なんじゃないかと思ったり。


* * * * *


長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

他のデザイナーさんと今後コミュニケーションが取れる機会がもしあれば、これまでどうやって勉強してきたか、いまどうやってデザインインプットしているか、是非話題に挙げさせてもらえると嬉しいです。
自分が知らない、勉強になりそうな雑誌なんかも知りたいですね。

さて、ファイリング頑張ろう…。


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