無題

かばねの行進、よだかの焔、こぼしたミルクと死んだダァリヤ。

( ほんとうのさいわい≒死であるとすればジョバンニの行き着く果ては夜の海では?入水。)



「カムパネルラ、ぼく、きみと皆のほんとうのさいわいについて考へてゐた。さいわいってなんだか分かるかい。さいわいの概念を解き明かすには、星宿の果てを知らなくっちゃならないとぼくはね、思うわけさ。あの雲海を突き抜けた先の銀河系の終りも知らずにぼくら、ぼくら自身の終りが知れるとおもうかい?そんなんじゃあいけないや。そうだろ、カムパネルラ。きみ、きみ、おっかさんがぼくを許したかも、知らないだろう。そういうことなんだよ。そう道理が決まってるんだよ。ぼくらが今まで知らなかっただけで!」




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