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いちごジャム



あなたは豚汁が好きで
あなたはモスの野菜バーガーが好きで
あなたは切れてるカマンベールチーズが好きで
あなたはタコライスが好きで
あなたは寧々やが好きで
あなたは生のフルーツは好きなのに
ジャムは嫌いらしい


ジャムはみんな好きと勝手に決めつけていて
あなたにプレゼントしたいちごジャム

どうしてもまた話がしたかった
仲良くしたかった

話のネタは思い付かないまま、ただひたすら

メガネ屋を目指すわたし

2回目は偶然通りかかった風を装い潜入

何を話せたかは覚えてないが、優しい笑顔と

スマートな接客で迎えてくれた事は覚えて

いる


3回目になる頃には、友達との会話の中で

わたしはあなたの事が好きなのだと悟った

そして、この関係をあと一歩前進させたくて

連絡先を交換したいと思ってしまった

正直、まだ出会って1か月半ほど
攻めるのは早すぎではないかと思ったが
このままだと、ただのお客様で終わってしまう
そんなの耐えられない、あなたを知りたい



そして、運命の日がきた

友達について来てもらってタイミングをみて
話しかけるのだ、予行練習はバッチリだった

連絡先はそのまま手渡しは難易度MAXだと
思い、いちごジャムの入った紙袋に入れた


いちごジャムとか好きですかーー?
えっ、あっ、あんまり好きではないですね

ぇぇぇぇーー?!

おわった

庭でラズベリーを育ててて、それ食べるのは
好きです

おわった

ここのジャムも素材からこだわってて
それならきっとお口に合うと思いますよ!

なんとか繋げるわたし
無理やり渡すわたし

あっ、いいんですか?ありがとうございます

意外とすんなり受け取ってくれた
次期店長になる予定なのにお店の中でこんな
やり取りさせてごめんなさい


この関係は、わたしが行動を起こさないと
何も始まらない、進まないんだぞ
とりあえず渡せてよかったと思う事にした


2日間かけて行ったビックイベントだった
連絡がきますように





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