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馬に乗ってモロッコを冒険したら指名手配された話し➂~準備編~

あらすじ。馬を手に入れるためモロッコ第3の都市フェズに到着。情報収集を始める。

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フェズの旧市街は、異国感満載。歩いているとさっそく客引きが声をかけてきた。伝統衣装のジェラバを買わないか?!と営業をかけてきたのだ。モロッコ語とフランス語が公用語の国だが、こういう客引きは、観光客であるこちらに英語で話しかけてきてくれるから都合がよい。いつもは無視するが、今回はホイホイついて行って色々情報を聞きだそうと思った。路地に入り、怪しかったらいつでも逃げられるように警戒しながら後ろをついていく。

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開けっ放しのドアの建物に入りると、青みがかった部屋に、大きな織機と、絨毯やジェラバなどの商品が壁にかけてある。相手の話しが落ち着いたところで、実は冒険するために馬を探しているんだと切り出す。なんだそれwファンタジーじゃないんだからwwと返ってくる。いやいや、現実でだよ!と計画のことや、予算のことを話す。ファンタジーのことは後で知ったのだが、どうやらそんなの空想上の話しだ!と馬鹿にされたわけではなく、馬に乗って行うモロッコの伝統的な祭典のことらしい。

馬は60万円くらいだね~。それに馬じゃ長距離移動するのは無理だよ。砂漠も山も悪路だし、すぐ空腹で動けなくなって、死んでしまうよ。ミュールなら丈夫だ!力持ちで長距離の移動にうってつけの動物だよ!ミュール?ミュールがわからなかったので、調べたらどうやらラバのことらしい。馬とロバを掛け合わせた家畜用の動物だ。持久力があり、粗食にも耐えられる。こいつなら手に入りやすいらしい。

ホントか?と思いながら、予想以上の馬の値段にショックを受けつつ、もし馬が無理ならラバという選択肢もありなのかな。と思った。何しろ情報が少なすぎる。とりあえずミュールがどんなものなのかを見るために、翌日、郊外に住むブリーダーの元に案内してもらう約束を取り付け、電話番号を交換した。

帰り道。小さな仔猫を見つけた。よたよた近づいて来た。そして。。。

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お客様~。困ります。そんな登ってこられては。。。見たところ体が小刻みに震えていてずいぶん寒そうだった。季節は2月。そりゃ寒い。俺もズボンやパンツを5着重ね着しているくらい寒いのだ。そしてショルダーバッグと、おなかのあたりの窪みに子猫は陣取った。

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路上で1時間以上紅茶をすすりながら座っていたが、ずっと離れない。街に猫はたくさんいるが、どれが親猫かわからないし、夜はもっと冷える。外敵も多く襲われやすい。何しろちょっと地面に下ろすとついてくる。悩んだ挙句、宿のおっちゃんに一声かけて一晩一緒に過ごすことにした。

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生後2か月くらいだろうか?とても愛らしい。この日は色々あった。頭も使って、町中を歩き回ってクタクタだ。「これからのことはとりあえず明日考えよう。」そう思いベッドに入るとすぐ寝てしまった。朝起きて仔猫ちゃんが毛布の上でオネショをしていないように祈りながら

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