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大きな陰の、樹の下で

寄り掛かったのは
おおきくおおきく
腕を広げた樹だ。

土の香りの陰の下、
あたたかな脈を感じ、想う。

寄り掛かったのは
水と、太陽と、育んできた物語だ。
じっくり、じっくり、折り重ねられた時間だ。
暖かさと、寒さの記憶だ。

大きくなるとは、
大きな陰を作ること。

大きな陰の、樹の下で、
私は少しお昼寝をして
私とあなたはここで出会った。

生きていて、良かったねぇ。

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