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人は皆、悲劇のヒロインだ。

人ってさ、
幸せな人生とか、充実した人生とか、
送りたいと思うじゃない。
 
でも、
「確実に幸せな人生を送れる真理を教えて、
実践できるようにしてあげようか?」
って言われても、
 
多分人は、
「いえ、自分で見つけます」って言う。
それか、真理を知っても、迷い続けると思う。
てか、迷い続ける道を無意識に選ぶと思う。
 
 
 
 
 
 
幸せの真理が見つかるということは、
同じ生活で、同じ教育で、同じ性格で、
みんなが生きるということ。
 
だってそれが、正解なんだもの。
 
テストでみんなおんなじ答えを書くように、
おんなじ毎日を送るってことだ。
 
 
 
 
 
 
幸せの真理は希望なようで、
人にとっての、生物にとっての、悲劇だ。
 
人は個性を失う。
迷い立ち止まる悦びを失う。
葛藤し乗り越える快感を失う。
 
生物は多様性を失う。
進化の幅広い可能性を失う。
生き残るための多様な解を失う。
 
 
 
 
 
 
人は皆、悲劇のヒロインだ。
 
幸せになる方法を見つけたいようで、
見つけたくない。
 
完全無欠の幸せを目指しているようで、
幸せになりたくない。
 
 
 
 
 
 
この悲劇に浸ろうぜ。

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